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「インサイドセールス やめとけ」。そう検索して、ここにたどり着いた方が多いと思います。
ネットには「きついからやめとけ」という声もあれば、「将来性があるからおすすめ」という声もある。どっちが本当なのか、分からなくなりますよね。
私は営業ひとすじ20年、約70名のインサイドセールス組織を管理し、何百、何千という人が入っては去っていくのを見送ってきました。その立場から、きれいごとも脅しも抜きで、本音を書きます。
先に結論を言います。「やめとけ」の一言で片付けられる仕事ではありません。 きつい面はあります。でも、その多くは見る角度を変えれば、そのまま強みに変わります。 この記事では、その「見方」と、避けるべき会社の見分け方まで、最後まで正直に書きます。
まず、なぜ「やめとけ」と言われるのか
世間で言われている理由を、正直に並べます(出典:キャリア・エックス、SQiL Career Agentほか)。
- 電話・メールで断られ続けて、精神的にきつい
- KPI(架電数・商談化数)の管理が厳しい
- マーケティングとフィールドセールスの板挟みになりやすい
- 比較的新しい職種で、他部門から正しく理解されにくい
- キャリアが見えにくい
- 一人で異常な件数を任されることがある
正直に言います。これらは、嘘ではありません。 実際に、こういう面はあります。だからこそ、否定するのではなく、この一つひとつを別の角度から見てほしいのです。
ですが、この理由は「逆から」も全部見られます
ここが、私がいちばん伝えたいことです。上に並べた「やめとけ」の理由は、見る角度を変えると、そのまま”強み”になります。 私自身、この仕事をずっとそう捉えて、やってきました。
| 「やめとけ」の理由 | 逆から見ると |
|---|---|
| 断られ続けてきつい | 断られるのを苦にしない人には、お客さまを自分で探さなくていい、すごくやりやすい営業。私も実際そうでした |
| KPI管理が厳しい | 全部データ化できるから、PDCAが回しやすく、自分の弱点に気づきやすい |
| マーケとFSの板挟み | 両方の気持ちも課題も理解できる人が、上に上がれる。むしろチャンス |
| 新しい職種で理解されにくい | すべてを数値で報告すれば、逆に理解されやすく、味方になってくれる。本当に助けてくれます |
| キャリアが見えにくい | むしろ逆。見えにくいのは、実績が上がらないか、役職者が上で詰まっている会社の風土のせい。人に投資する会社なら、キャリアはその人に合わせて作られます |
| 一人で大量に任される | 確かにある(特にベンチャー)。でも滅多にない。逆に、他では得られない経験値。上に立ったとき「こういう部下を作らない」という改善が、プレイヤー目線でリアルに養われる。私はこれを財産だと思っています |
どうでしょうか。同じ事実でも、受け取り方ひとつで、きつさが強みに変わります。 ここが分かっているかどうかで、この仕事の見え方はまるで違ってきます。
その前に。テレアポとインサイドセールスは、別の仕事です
「やめとけ」で検索する方の多くが、実はテレアポとインサイドセールスを、同じものだと思っています。 ここを混同したまま「きついらしい」と判断してしまうのは、とてももったいないことです。
私は対面営業を12年やったあと、インサイドセールスに移りました。両方を現場でやってきた立場から、はっきり言えることがあります。
- テレアポは、基本的に「アポの数」を追う仕事です。 件数がすべてで、どこの会社に行っても、やることの中心は大きく変わりません。
- インサイドセールスは、「顧客を育てる」仕事です。 見込みのお客さまと関係を作り、商談につなげる。同じ電話でも、目的がまったく違います。
そして、ここが大事なところです。テレアポは、どこへ行ってもテレアポのままになりがちです。 でもインサイドセールスには、上に上がっていく階段があります。 インサイドセールスからフィールドセールス(商談・クロージングを担当する営業)へ、そこからマネジメントへ。役職も所得も上げていける道が、職種の設計として用意されています。
「やめとけ」と言われるきつさの多くは、実はテレアポのイメージから来ています。インサイドセールスは、その先に道がある。この違いを知っているだけで、判断がずいぶん変わってくるはずです。
本音①:それでも、きつい面は確かにある
とはいえ、きれいごとだけ言うつもりはありません。きついですよ、正直。 営業ですから。断られ続けるし、ときどき心ないことも言われます。人格を否定するような言葉をぶつけられる日もある。ここは、間違いなくきついです。
でも、こうも思うんです。楽な仕事なんて、どこにもありません。 どんな仕事にも、必ずきつい面があります。だから問題は、そのきつさを、どこで割り切るかです。
そして、忘れないでほしいことがあります。あなたがこの仕事を選んだのには、最初に応募したときの動機があったはずです。 「なぜ、この仕事をやろうと思ったのか」。その最初の気持ちを思い出せるかどうかが、きつい時期を越える力になります。私は、そう思っています。
3ヶ月でやめる人と、続く人の違い
何百人も見送ってきて、はっきりした傾向があります。最初の山は、だいたい3ヶ月目に来ます。 「こんなにきついのか」と、多くの人がここでつまずきます。
ただ、この3ヶ月をどう過ごすかで、その後がまるで違いました。続く人と続かない人の差は、才能ではありません。PDCAを回せているかどうか、ただそれだけでした。
昨日うまくいかなかったことを、今日は少し変えてみる。断られた理由を、一つでいいから考えてみる。そうやって手を動かせている人からは、不思議と「こんなはずじゃなかった」という言葉が出てきません。昨日できなかったことが、今日できる。 その小さな実感が積み上がっていくからです。
逆に、同じやり方を変えずに繰り返して、断られてしんどくなって、考えること自体をやめてしまう。そうなると3ヶ月の壁は越えられません。雇用形態は関係ありませんでした。 派遣でも当事者意識の高い人はぐんぐん伸びたし、正社員でも受け身の人は伸び悩みました。ここは、本当にその人次第です。
本音②:「やめとけ」の正体は、職種ではありません
専門家も指摘していますが、インサイドセールスが「やめとけ」と言われるのは、職種そのものの問題ではなく、「組織設計のミス」と「個人との相性」が重なっているからだとされています(出典:スタジアム)。管理してきた立場として、これは痛いほど分かります。
「一人で異常な件数を任される」のは、職種のせいではなく、それを一人に押しつける組織の設計ミス。「きついだけで終わる」のも、部下が数字を作れないのは、本人より上司・組織の責任であることのほうが多いのです。落とし込みと教育がちゃんとできていれば、そう簡単に「きついだけ」にはなりません。
私が管理職として、一番大事な仕事だと思っていたことがあります。それは、部下の「言い訳」を、先に潰しておくことです。 リストが悪い、商材が悪い、タイミングが悪い。そう言えてしまう状況を、上司の側があらかじめ整えておく。「言い訳できる場所がない」状態を作るのが、上司の仕事だと思っていました。言い訳が通る職場では、部下はどうしても他責になり、当事者意識が育たないからです。
ただ、ここは誤解してほしくないので、はっきり書きます。これは「だから全部会社のせいだ」という免罪符ではありません。 上司の責任が大きいのは事実ですが、それを盾に自分は何もしない、では何も変わらない。責任は上司にもあり、同時に本人にもある。その両方が同時に本当なのです。
私自身、70名規模の組織を預かる中で、大事にしていたことがあります。
- 派閥を作らせないこと
- 顔合わせの段階で、ネガティブな発言をする人は、しっかり精査すること
だから、私のもとに残っていたメンバーは、全員、私が面接して迎え入れた人たちでした。迎え入れた以上、責任を持って育てる。それが私の仕事だと思っていました。 逆に言えば、上司が、部下を「組織の駒」としか見ていない環境なら、そこはつらいです。 成長できないからです。同じインサイドセールスでも、上に立つ人がどちらのタイプかで、天と地ほど変わります。
伸びる会社と、避けたほうがいい会社の見分け方
「やめとけ」の正体が会社にあるなら、次に知りたいのは「どう見分けるか」ですよね。入る前に完全には分かりません(後述します)。ですが、面談や求人票で確認できるサインはあります。採用する側にいた人間として、私が見ていたポイントを挙げます。
| 避けたほうがいいサイン | 伸びやすいサイン |
|---|---|
| KPIが「架電数」だけ。質の話が出てこない | 架電数だけでなく、商談化率や振り返りの仕組みを語れる |
| 教育・研修の中身を聞いても具体的に出てこない | 入社後3ヶ月で何をどう教えるか、道筋が具体的 |
| 「とにかく数をかければ取れる」と精神論で押す | うまくいかないときの改善の打ち手を持っている |
| インサイドセールスから先のキャリアが説明されない | フィールドセールスやマネジメントへの道が示される |
| 面接官が現場に興味がなさそう・部下を数字でしか語らない | 面接官が「どう育てるか」を自分の言葉で話す |
とくに「うまくいかないときに、どう立て直しますか」と聞いてみることをおすすめします。ここで具体的な打ち手が出てくる会社は、教育の仕組みがある証拠です。精神論しか返ってこない会社は、入ってから「きついだけ」になりやすい。この質問一つで、けっこう見えます。
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本音③:将来性は、あります(AIの時代でも)
求人については、心配いりません。インサイドセールスの求人数は増加傾向にあり、多くの企業が新たに部署を立ち上げています(出典:キャリア・エックス)。
「でも、AIに仕事を奪われるのでは」という不安もあると思います。確かに、AIによるオートコール化など、効率化はどんどん進んでいます。私自身、危機感を覚えることもあります。
ですが、私は現場でずっと考えてきて、AIと人間の営業の境界線が、はっきり見えています。それは「クロージング」です。 お客さまが最後に「買う」と決める瞬間は、理屈ではなく感情で動きます。押すタイミング、あえて引くタイミング。あの判断は、データになりません。決まる瞬間を分けるのは、トークの上手さよりも「間」です。その「間」を読めるのは、いまのところ人間だけです。
だから、クロージングまでできる人の価値は、AIが増えるほど、むしろ上がっていきます。 感情に訴えかける営業、人だからこそ信用してもらえる部分は、B2Bでは必ず残ります。先方の社長さんも、最後は人を見ています。営業から人を外す理由は、ありません。私は、そう確信しています。
そして前述のとおり、テレアポと違って、インサイドセールスにはフィールドセールスへと上がっていく階段があります。クロージングを担うフィールドセールスは、まさにAI時代に価値が上がる場所です。その入口に立てるのが、インサイドセールスなのです。
ただし、「会社が悪い」で終わらせないでください
ここまで「組織の問題だ」と書いてきましたが、大事な注意があります。これを「ダメな会社に入ったせいだ」で終わらせると、ただの他責になってしまいます。 それでは、次に進めません。
それに、正直なところ、教育と仕組みの整った良い会社かどうかは、入る前には完全には分かりません。 さっき見分け方を書きましたが、あれで確率は上げられても、ゼロにはできない。働いてみないと分からないことのほうが、ずっと多いのです。
だから、私が伝えたいのはこうです。たとえ良くない組織の下でも、自分をしっかり持って、目標を見失わずにやる。 そして、もし上司が良くないやり方をしていたら、それを反面教師にする。「自分がこの立場になったら、こう変えてやる」という気概でやればいい。
実は、これができる人は、逆説的に、すごく強い営業になります。 ダメな部分を現場で知っていて、同時に「こうすれば、みんな気持ちよく動くのに」という理想も持っている。その両方の視点を持てている人は、上に立ったときに、本物の管理職になれます。
もちろん、現実には、続く人も辞める人もいます。当事者意識を持って踏ん張る人もいれば、組織にがっかりして愛想を尽かす人もいる。一概には言えません。責任は本人にもあり、そして同時に、常に私たち管理職の側にもあります。 どちらか一方だけのせいには、できないのです。
向いてる人・向いてない人は、思い込みで決めないこと
最後に、向き不向きの話をします。ここにも、採用する側から見てきた「意外な事実」があります。
それは、「自分は向いてない」と言う人ほど、案外向いているということです。逆に「俺は向いてる」と自信満々な人ほど、実はそうでもなかったりします。
なぜか。人見知りだったり、内向的だったりする人は、普段から相手の顔色や様子をよく見ています。だから距離の詰め方や、引くタイミングがうまい。 営業でいちばん大事なのは、勢いよりも「相手をよく見る」ことです。逆に自信過剰な人は、一方的な営業になりやすく、押しすぎてクレームになることもあります。
もちろん、天性で向いている明るい人もいます。一概には言えません。ただ、「人見知りだから、営業は向いてない」という思い込みだけは、外してほしいのです。その思い込みこそが、いちばんもったいない。向き不向きをもっと具体的にチェックしたい方は、こちらの記事も読んでみてください。
▶ インサイドセールスに向いてる人・向いてない人。応募する前の自己診断チェックリスト
迷っているなら、話だけでも整理しておく
ここまで読んで、「じゃあ自分はどうすればいいのか」と思った方へ。一つだけ、現実的な話をします。
一人で「このままでいいのか」と抱えて時間だけが過ぎるより、一度きちんと話して整理したほうが、次の一歩は早く見つかります。とくに20代のうちは、動き出すこと自体が最大の武器です。UZUZは第二新卒に特化していて、ブラック企業を避けた求人から紹介してくれます。登録は無料で、数分で終わります。合わなければ断ってかまいません。迷っているなら、選択肢の一つとして知っておくだけでも損はありません。
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結論:「やめとけ」の一言では、片付けられません
「インサイドセールス やめとけ」は、半分本当で、半分は嘘です。きつい面は確かにある。でも、それは見る角度を変えれば強みに変わり、「やめとけ」の正体は職種ではなく、組織設計のミスと、会社との相性の問題であることがほとんどです。そして、その相性や”良い会社かどうか”は、入る前には完全には分かりません。
だからこそ、この一言で片付けられる問題ではないのです。避けることが答えではありません。最初の動機を忘れず、目標を持ち、どんな環境でも自分を持つこと。 良くない部分は、反面教師にすればいい。そうすれば、インサイドセールスは「やめとけ」ではなく「やってよかった」に、そしてあなた自身を、どちらの視点も持った強い営業に変えていきます。
次に読むといい話
「じゃあ、自分の経験は活きるのか」「良い会社にどう出会うのか」。ここから先は、場面ごとにまとめています。
そもそも、テレアポ経験は転職市場でどう評価されるのか。
▶ テレアポ経験は、転職市場でどう評価されるのか。採用する側が見ていたこと
SaaSでインサイドセールスをやるなら、経験はどう活きるのか。
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良くない会社を避ける確率を上げる、エージェントの選び方。
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入社してから3ヶ月で、本当は何が起きるのか。
▶ テレアポからSaaSへ。入社後3ヶ月で、本当は何が起きるのか
30代以降・未経験で挑戦しようか迷っているなら。
▶ 30代以降・未経験からインサイドセールスへ。採る側が見てきたリアル
まとめ
インサイドセールスは、きつい面が確かにある仕事です。ですが、その多くは見方を変えれば強みに変わり、「やめとけ」の本当の原因は職種ではなく、組織設計のミスと、会社との相性です。テレアポと違って上に上がる階段があり、将来性もあります。AIの時代でも、クロージングという「人にしかできない仕事」がなくなることはありません。
そして、良い会社かどうかは、入るまで完全には分かりません。だからこそ大事なのは、避けることではなく、どんな環境でも自分を持ち、最初の動機と目標を見失わないこと。良くない部分は反面教師にすればいい。それができれば、この仕事は「やめとけ」ではなく「やってよかった」に変わり、あなたを一段強い営業にしてくれます。
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※出典を記載した部分は、その媒体の見解・一般的な傾向です。出典のない部分は、筆者が約70名の営業組織を管理してきた中での実感であり、統計ではありません。働きやすさや評価は、企業・組織・個人によって大きく変わります。
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この記事を書いた人
営業ひとすじ20年。電話営業・インサイドセールスの現場から始まり、約70名の営業組織のマネジメントを経験。採用面接にも数百人単位で関わってきました。「辞めて正解だった人」も「辞めなくてよかった人」も見てきた立場から、テレアポ・インサイドセールス・営業職の次のキャリアについて、きれいごとではない話を書いています。


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