テレアポ・インサイドセールス・営業マネージャー。年収が変わるのは会社より役割だと、採用担当として比較しました

テレアポ・インサイドセールス・営業マネージャー。年収が変わるのは会社より役割だと、採用担当として比較しました 営業・テレアポからの転職

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「今の会社を辞めて、次の会社に移れば年収が上がる」。そう思っている人は多いですが、正直に言うと、これは半分正解で半分間違いです。

僕は営業一筋20年、うち管理職として70名規模のチームを見てきました。部下の年収を決める側にも、面接で候補者の年収を査定する側にも立ってきた人間として、はっきり言えることがあります。年収が大きく変わるのは、会社を移ったときより、担う「役割」が変わったときです。同じ会社の中でも、テレアポからインサイドセールス、インサイドセールスからフィールドセールス、フィールドセールスからマネージャーへと役割が変わるたびに、年収のレンジそのものが一段上がります。

この記事では、テレアポ・インサイドセールス・フィールドセールス・営業マネージャーという4つの役割を、実際の年収データと合わせて比較します。転職を考えている方は、「どの会社に行くか」の前に、「どの役割を目指すか」を一度整理してみてください。テレアポの年収そのものについてはテレアポの年収は低い。でも転職でどこまで上がるか、採用担当が見てきた現実でも詳しく触れているので、あわせて読んでみてください。

役割別・年収の目安

まず、それぞれの役割の年収レンジをまとめます。数字は複数の調査・求人メディアの公開情報をもとにした目安で、企業規模や業界、個人の成果によって上下しますので、あくまで相場感として見てください。

役割 年収の目安 主な雇用形態
テレアポ(未経験・入口) 250万円〜350万円程度 アルバイト・派遣・契約社員が中心
インサイドセールス(正社員) 400万円〜600万円程度 正社員
フィールドセールス(法人営業) 営業職全体の平均は435万円。SaaS・法人向けは上振れしやすい 正社員(歩合・インセンティブ込みが多い)
営業マネージャー 営業職全体の年代別平均は20代400万円台・30代500万円台・40代以降600万円超 正社員・管理職

出典:doda「平均年収ランキング(職種別)」、求人情報サイト各社の公開データをもとに作成。テレアポ・インサイドセールスの数字は求人・アルバイト情報サイトの公開データによる目安です。フィールドセールス・営業マネージャーの行は、doda公表の「営業職全体」の平均・年代別データを参考値として置いたもので、それぞれの職種・役職に絞った公的な統計ではありません。数字はいずれも確定額を示すものではなく、目安としてご覧ください。

表の補足です。フィールドセールスと営業マネージャーに限定した公的な統計は見当たらなかったため、この2行は「営業職全体」の平均・年代別データをベースに置いています。ここから先の「フィールドセールスは平均より上振れしやすい」「マネージャーはこの年代内でも上位に来やすい」という見方は、データそのものではなく、僕が管理職として現場で見てきた実感にもとづく解釈です。データと実感、どちらも大事な情報として、分けてお伝えしておきます。

表にすると分かりやすいのですが、テレアポからインサイドセールス(正社員)に上がる段階と、フィールドセールスからマネージャーに上がる段階、この2箇所で年収のレンジがはっきり切り替わっています。「なんとなく経験年数が増えたから上がる」のではなく、役割が変わるタイミングで一段上がる、という構造です。

なぜ役割が変わると年収が上がるのか

ここからは数字の裏側にある理由を、管理職として実際に給与・評価を決めてきた立場から説明します。

営業の仕事は、分業が進んだ会社ほど「The Model」と呼ばれる型に近い形で回っています。テレアポ(アポ獲得)、インサイドセールス(電話・オンラインでの商談化)、フィールドセールス(対面での提案・クロージング)という順番で、案件が受け渡されていく仕組みです。

この分業の中で、会社にとっての「重さ」が一番違うのはフィールドセールスです。最終的に契約するかどうかを決めるのはこの役割で、決定率がそのまま数字に直結します。テレアポやインサイドセールスは「案件を作る・育てる」役割ですが、フィールドセールスは「案件を刈り取る」役割です。売上に直接ひもづく分、任される責任も年収も重くなります。

そこからさらにマネージャーに上がると、今度は自分の数字だけでなく部下の数字にも責任を持つことになります。僕自身、管理職になってからは、部下10人前後の数字が自分の評価に直結するようになりました。一人分の成果ではなく、チーム全体の成果に対して報酬が支払われる立場になるので、レンジがもう一段上がるのは当然といえば当然です。

つまり年収が上がる理由は、単に「経験年数」や「勤続年数」ではなく、「背負っている責任の範囲」が広がることにあります。だから、同じ会社に居続けても、担当領域を広げたり、役割を変えたりすることで年収は上がりますし、逆に会社を移っても役割が変わらなければ、年収のレンジもあまり変わりません。

会社を変えても、役割が変わらなければ年収は変わらない

採用担当として面接をしていると、よくあるパターンがあります。「今のインサイドセールスの仕事に不満はないけれど、給料を上げたいから転職したい」という方です。話を詳しく聞くと、転職先で用意されているポジションも、実質的には今と同じインサイドセールスだったりします。この場合、多少の年収アップはあっても、大きくは変わらないことがほとんどです。会社が変われば全員が上がるわけではなく、社名のブランドや会社の規模がそのまま年収に反映されるとも限りません。むしろ、同じ会社の中で一段上の役割(フィールドセールス、あるいはチームリーダー)に手を挙げる方が、遠回りに見えて年収アップの近道になっているケースを何度も見てきました。

もう一つ、よくある勘違いがあります。求人票の「インサイドセールス」「フィールドセールス」という肩書きは、会社によって中身がかなり違うということです。ある会社の「フィールドセールス」は、実質的には御用聞きに近い訪問営業で、決定権はほとんど本部にあります。別の会社の「フィールドセールス」は、価格交渉から契約条件の調整まで、ほぼすべてを現場で決められます。同じ肩書きでも、任されている裁量の大きさが違えば、年収も業務の重さも変わってきます。

面接で、役割の”重さ”を見極める質問

肩書きだけでは判断できない以上、面接の場で自分から確認する必要があります。僕が採用担当として、逆にこう聞かれたら「よく分かっている人だな」と感じる質問をいくつか挙げます。

1つ目は「契約条件(金額・納期など)の最終決定権はどこにありますか」という質問です。現場の営業に決定権があるのか、上司の承認が必要なのか、それとも本部が決めるのかで、その役割の実態が分かります。

2つ目は「インセンティブは個人成果ですか、チーム成果ですか」という質問です。ここで、その会社が個人プレーを評価する会社なのか、チームで数字を作る会社なのかが見えてきます。自分に合った働き方かどうかを判断する材料になります。

3つ目は「この役職で入社して、次のキャリアステップに進んだ人はどれくらいいますか」という質問です。前例があるかどうかで、その会社がキャリアパスとして本当に機能しているかが分かります。前例がまったくない場合、自分が最初の一人になる覚悟が必要です。

こうした質問は、面接官に対して失礼にはあたりません。むしろ、自分のキャリアを本気で考えている証拠として、好印象を持たれることの方が多いです。

外資系と日系、年収の作られ方の違い

僕自身、日系の上場企業だけでなく、外資系のクレジットカード会社で営業をしていた経験があります。その中で感じたのは、外資系と日系では、年収の「作られ方」がそもそも違うということです。

外資系企業は、基本給に対して歩合・インセンティブの比率が高い傾向にあります。成果が出れば同世代の日系企業勤務者より大きく上回ることもありますが、逆に成果が出なければ年収は伸び悩みますし、ポジションそのものがなくなることもあります。日系企業は、基本給の比率が高く、年功的な要素もまだ残っている会社が多いため、成果と年収の連動はゆるやかですが、その分安定はしています。

どちらが良い悪いという話ではなく、自分が「安定を取りながら緩やかに上げたいのか」「変動があっても成果に応じて一気に上げたいのか」で、選ぶべき会社の傾向が変わってくる、ということです。この軸も、役割選びと同じくらい大事な判断材料だと思います。

テレアポからインサイドセールスへ。最初の壁

最初の分かれ道は、アルバイト・派遣中心のテレアポから、正社員のインサイドセールスに移れるかどうかです。ここで年収のレンジが大きく変わるのは、雇用形態が変わることと、「アポを取る」だけでなく「商談化させる」「見込みの確度を見極める」という判断業務が加わるためです。

テレアポからインサイドセールスへの年収の上げ方については、別の記事(テレアポから転職して年収を上げた人が、実際にやっていたこと。)で、実際に上げた人が何をしていたかを具体的にまとめています。あわせて読んでみてください。

また、同じテレアポでも、派遣と正社員では給料の作られ方そのものが違います。この違いを詳しく知りたい方は、テレアポ派遣と正社員、給料の差はどこで生まれるのか。も参考にしてください。

インサイドセールスからフィールドセールスへ。数字の重さが変わる壁

2つ目の壁は、インサイドセールスからフィールドセールスへの移行です。ここでの年収の伸びは、案件を「作る」立場から「決める」立場に変わることに対する対価です。フィールドセールスは商談の最終局面を任されるため、成果が数字として一番見えやすく、インセンティブ設計も手厚くなりがちです。SaaS業界など、単価の大きい法人営業ではこの傾向がさらに強くなります。

インサイドセールス自体の年収相場をもう少し詳しく知りたい方は、インサイドセールスの年収相場。未経験スタートから、どこまで上がるかを、SaaS業界特有の年収事情についてはSaaS営業の年収相場。テレアポ・IS経験者が知っておきたい、他業界との差を見てみてください。

ただし、ここで一つ正直に言っておきたいことがあります。フィールドセールスは「決めればいい」というものではありません。無理に決めた契約は、後からクレームになって返ってきます。数字を追うことと、お客様に本当に合った提案をすることは、両立させなければならない、というのが僕の実感です。決定率だけを追いかけて、後工程(カスタマーサクセスやサポート)に迷惑をかけるような決め方をする人は、短期的には評価されても、長い目で見ると信頼を失います。

フィールドセールスからマネージャーへ。数字の見方が変わる壁

3つ目の壁が、フィールドセールスからマネージャーへの昇格です。ここで求められるのは、自分の数字を作る力から、チームの数字を作らせる力への転換です。

僕がこれまで見てきた中で、フィールドセールスとして優秀だった人が、必ずしもマネージャーとして優秀だとは限りません。自分で決めるのがうまい人と、部下に決めさせるのがうまい人は、別の能力です。未達だったときに「本人の力不足」で片付けず、任せ方や育て方に問題がなかったかを振り返れる人が、マネージャーとして年収に見合う働きをしていると感じます。

先ほどの表のとおり、営業職全体で見ると、20代のうちは400万円台が中心で、30代で500万円台、40代以降で600万円を超えてくる、というのがdodaの年代別データです。マネージャーに上がった人は、この年代の中でも上位に位置することが多い、というのが僕の現場での実感ですが、これはデータというより経験則としてお伝えしています。もちろん会社によって差は大きく、成果報酬の比率が高い会社ほど、マネージャーの年収は個人の成績に大きく左右されます。

マネージャーの、その先にあるもの

マネージャーからさらに上、部長や事業責任者のクラスになると、見る範囲はチームから部門全体、あるいは複数のチームへと広がります。ここまで来ると、営業としての実務よりも、採用計画・予算配分・複数チームの目標設計といった経営に近い判断が仕事の中心になります。この層になると公開されている統計はほとんど無く、あくまで僕が見聞きしてきた範囲での話になりますが、年収900万円を超えてくる人も珍しくありません。一方で求められるのは、数字を作る力よりも、数字を作れる仕組みと人を作る力です。

正直に言うと、ここまで登っていく道のりは決して平坦ではありません。プレイヤーとして優秀だった人ほど、マネージャーになったときに「自分でやった方が早い」という気持ちと戦うことになります。部下に任せて、失敗させて、そこから学ばせる。この我慢ができるかどうかで、その先に進めるかどうかが分かれると、僕自身の経験からも感じています。

今の会社にいながら、年収を上げるためにできること

転職の話をする前に、一つ触れておきたいことがあります。年収を上げる方法は、必ずしも転職だけではありません。今の会社の中でも、担当領域を広げることはできます。

例えば、テレアポの立場であれば、単にアポを取るだけでなく、「どの見込み客が本当に確度が高いか」を自分なりに判断してインサイドセールス的な動きを取り入れてみる。インサイドセールスの立場であれば、商談化した案件の一部を、上司に相談しながら自分でクロージングまで担当させてもらう。こうした小さな越境を積み重ねることが、社内での役割変更や昇格の材料になります。

僕が管理職として部下を昇格させるときに見ているのは、「今の役割を完璧にこなしているか」だけでなく、「一つ上の役割の仕事に、すでに片足を踏み込んでいるか」という点です。任される前から一つ上の視点で動いている人は、実際に役割が変わったときの立ち上がりが早く、評価もしやすいです。今の会社で天井が見えているなら、それは転職を考えるサインですが、その前に「今の役割の中で、一段上の仕事を先取りできないか」を一度試してみる価値はあります。

年収を上げたいなら、会社選びより先に役割の設計図を持つ

ここまで見てきたとおり、テレアポ・インサイドセールス・フィールドセールス・マネージャーの間には、それぞれ役割の「重さ」の違いがあり、それがそのまま年収のレンジの違いになっています。転職を考えるとき、多くの人は「どの会社なら給料がいいか」を先に調べますが、僕がおすすめしたいのは順番を逆にすることです。まず「自分は次にどの役割を担いたいのか」を決めてから、その役割を任せてくれる会社を探す方が、遠回りに見えて実は近道です。

今テレアポをしていて、次にインサイドセールスを目指すのか。インサイドセールスから、決定権のあるフィールドセールスに進みたいのか。それとも、プレイヤーとしてでなく、人を育てるマネージャーの道に進みたいのか。この整理さえできれば、転職活動で見るべき求人の種類は自然と絞れてきます。

そして、その役割が「求人票の肩書きどおりの中身」なのかどうかは、さきほど挙げた3つの質問で確認してください。肩書きに釣られて転職して、蓋を開けたら今までと変わらない仕事だった、という失敗が一番もったいないです。

ただ、この整理を一人でやるのは意外と難しいものです。今の会社にいながら、次にどんな役割を任せてもらえそうか、外から見てどんな役割で求人が出ているのか、自分だけでは判断材料が足りないことがほとんどです。

会社選びは、一人で調べるより確認してもらう方が早いです

どの役割で求人を出しているか、実際にどこまで裁量を任せてもらえるかといったことは、求人票だけでは判断しづらく、自分ひとりで一社ずつ確認していくのは大変な作業です。一人で「このままでいいのか」と抱えて時間だけが過ぎるより、一度きちんと話して整理したほうが、次の一歩は早く見つかります。UZUZは第二新卒に特化していて、ブラック企業を避けた求人から紹介してくれます。登録は無料で、数分で終わります。合わなければ断ってかまいません。迷っているなら、選択肢の一つとして知っておくだけでも損はありません。

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この記事を書いた人

営業ひとすじ20年。電話営業・インサイドセールスの現場から始まり、約70名の営業組織のマネジメントを経験。採用面接にも数百人単位で関わってきました。「辞めて正解だった人」も「辞めなくてよかった人」も見てきた立場から、テレアポ・インサイドセールス・営業職の次のキャリアについて、きれいごとではない話を書いています。

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