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コールボタンを押す指が、止まる。
リストの次の番号を見て、ヘッドセットを付け直して、深呼吸して、それでも指が動かない。かけてしまえば3分で終わる電話なのに、その3分が怖い。
営業を20年やってきて、電話営業の現場で約70名の組織をマネジメントしてきました。この「電話が怖い」という状態の人を、たくさん見てきました。今日はその話を、採る側・管理する側の視点で正直に書きます。
怖さの正体は、だいたい3つに分かれます
一つ目は、断られる怖さです。「結構です」と切られるたびに、自分自身が否定されたように感じてしまう。断りの回数が多い仕事なので、これが積み重なると電話の前で手が止まるようになります。
二つ目は、怒られる怖さです。一度強い口調で怒鳴られた経験があると、次の電話でも「また怒られるかもしれない」が頭から離れなくなります。
三つ目は、数字の怖さです。かけても取れない、今日もまだゼロ、上司の視線が痛い。電話そのものより「この電話でも取れなかったらどうしよう」が怖い。こうなると、電話をかける前から負けています。
自分の怖さがどれなのかを分けて考えるだけで、少し楽になります。対処法がそれぞれ違うからです。
怖いと感じる人のほうが、見込みがあります
これは慰めではなく、現場を見てきた実感です。
電話が怖いと感じる人は、相手の反応を感じ取れている人です。声のトーンの変化、断られる気配、相手の迷惑そうな空気。それを感じるから怖い。つまり、営業に必要な感受性がある証拠です。
逆に、まったく怖さを感じない人のほうが、管理する側としては心配でした。相手の温度を感じずに同じトークを繰り返すので、数字が伸びない。伸びない理由にも気づけない。
「電話が怖い自分は営業に向いていない」という先入観だけは、持たないでほしいです。先入観と固定概念は、営業を一番弱くします。怖さは向き不向きの証拠ではなく、感じ取る力の裏返しです。
克服できる怖さの見分け方
断られる怖さは、時間と考え方で軽くなっていくことが多いです。
断りは、あなたへの人格否定ではありません。「今は要らない」という状況の返事です。電話の向こうの相手は、あなたが誰かを知りません。知らない人を人格ごと否定することは、そもそもできません。
入社して最初の3ヶ月は、誰でも一番きつい時期です。ここで「こんなはずじゃなかった」となるか、「昨日できなかったことが今日できた」と思えるかの分かれ目は、振り返りができているかどうかです。今日の断られ方はどのパターンだったか、次はどこを変えるか。それを回せているうちは、怖さは少しずつ小さくなっていきます。
離れていいのは、こういう怖さです
一方で、我慢しないでほしい怖さもあります。
夜眠れない。朝、会社に向かう途中で体調が悪くなる。休みの日も電話の音が頭から離れない。ここまで来ている場合、それは「慣れ」で解決する段階を過ぎています。
もう一つ、環境の問題があります。断られて凹んでいる部下に「気合が足りない」しか言わない上司。かけた件数だけを詰める会議。怖さをフォローする仕組みが何もない組織。
長く管理職をやってきて思うのは、未達の原因は本人より上司にあることが多い、ということです。マネジメントが機能していない組織で、個人が「自分が弱いから」と抱え込む必要はありません。あなたの怖さが大きくなり続けているなら、それはあなたの弱さではなく、環境がフォローしていないだけかもしれません。
環境を変えるのも、逃げではありません
テレアポの経験は、電話をかけない仕事でも活きます。断られ続けても淡々と行動できたこと、声だけで相手の温度を感じ取ってきたこと。これは面接で評価される経験です。
同じ電話の仕事でも、かかってきた問い合わせに対応するインサイドセールス(反響型)なら、相手には最初から話を聞く姿勢があります。飛び込みでかける怖さとは、まったく別の仕事です。
一人で抱えず、転職エージェントに現状を話してみるだけでも、選択肢の整理になります。20代・第二新卒であれば、営業経験者の転職に慣れているところに無料で相談できます。
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怖さを感じる自分を責めないでください。それは感じ取る力です。その力を活かせる場所で使うか、今の場所で育てるか。選ぶのはあなたです。
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この記事を書いた人
営業ひとすじ20年。電話営業・インサイドセールスの現場から始まり、約70名の営業組織のマネジメントを経験。採用面接にも数百人単位で関わってきました。「辞めて正解だった人」も「辞めなくてよかった人」も見てきた立場から、テレアポ・インサイドセールス・営業職の次のキャリアについて、きれいごとではない話を書いています。


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