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ノルマが届いていない。予算まであと少し足りない。そんな夜、布団に入っても頭が冴えて、体が震えるほど眠れなくなったことはありませんか。
私は営業の現場に20年いて、約70名の営業組織をマネジメントしてきました。その中で、何度も眠れない夜を経験しています。今日はその話を、正直に書きます。
営業には「コミット」という言葉がある
営業の世界には、「コミット」という言葉があります。約束、という意味です。目標に対して「コミットします」と口にした以上、その約束は、どんな状況であっても果たさなければいけない。これは営業という仕事の根っこにある考え方だと、私は思っています。
数字を残せる営業だからこそ、責任者として上に上がっていく。組織を任され、部下を持ち、会社から人と裁量という「投資」をいただけるようになる。そうやって責任者になった以上、コミットした数字に対する重さは、立場が上がるほど増していきます。
だからこそ、営業の予算や売上が届いていない、本当に大事な局面のときは、震えるほど眠れない夜がありました。今も現在も、正直それは変わりません。
なぜ、そこまで追い詰められるのか
数字が足りていないだけなら、まだ耐えられます。眠れなくなるのは、それだけが理由ではありません。
会社から預かっているのは、数字だけではないからです。組織を託されている以上、そこには部下の生活も乗っています。責任者としてコミットするというのは、自分一人の評価の話ではなく、預かっている人たちの評価や環境まで背負うということでもあります。
この重さを引き受けた瞬間から、届かない数字は「自分の失敗」ではなく「約束を破ること」になります。約束を破りたくない、という感覚が強い人ほど、眠れなくなる夜は多くなるはずです。
それでも、後悔はしていません
ここまで読むと、「そんな思いをするなら、コミットなんてしない方がいいのでは」と感じるかもしれません。ですが、私自身は、そう思っていません。
結局のところ、そういったプレッシャーがあるからこそ、人は成長すると思っているからです。眠れないほど追い詰められると、真剣に頭を使います。どうすればこの状況を打開できるのか、脳みそをクリアにするにはどうしたらいいのか。本気で考えるようになります。
ぬるい環境で、何も背負わずに過ごしていたら、ここまで頭を使うことはなかったと思います。眠れない夜の分だけ、考える力は鍛えられてきた実感があります。
ただし、見分けなければいけない眠れなさもあります
ここで一つ、はっきりさせておきたいことがあります。すべての「眠れないほどのプレッシャー」が、成長につながるわけではありません。
私が経験してきた眠れない夜は、局面が終われば必ず終わりが来るものでした。大事な商談の前夜、四半期の締め、大きな案件の勝負どころ。期間が区切られていて、そこを越えれば、また眠れる日常に戻ります。
一方で、区切りのない眠れなさもあります。毎晩同じことで眠れず、それが何ヶ月も続いている。この場合は、成長痛ではなく、ただの消耗になっている可能性があります。見分ける基準は、次の3つです。
- 終わりが見えているか。局面を越えれば眠れる日に戻るなら成長痛。終わりが見えないまま続いているなら消耗です
- 目標そのものが、そもそも現実的か。努力すれば届く数字への重圧と、最初から届くはずのない数字を背負わされている重圧は、まったく別物です
- 眠れないことを、誰かに話せているか。一人で抱え込んで誰にも言えていないなら、それは危険信号です
3つとも当てはまらない、つまり「終わりが見えず」「目標が非現実的」「誰にも話せていない」という状態が続いているなら、それはあなたが弱いからではありません。環境の設計そのものに、無理があります。
眠れない夜、今日からできること
環境をすぐに変えるのは難しくても、今日からできることはあります。私自身、現場で実際にやってきたことを書きます。
- 頭の中身を、紙に書き出す:布団の中で同じことを何度も考え続けると、思考はループするだけで前に進みません。届いていない数字、残っている時間、打てる手。頭の外に一度出してしまうと、ループが止まることがあります
- 「あと何をやったら間に合うか」まで分解する:漠然と「足りない」と考えるより、「何件」「あと何時間」「誰に頼めるか」まで具体的に分解すると、不安は少しだけ扱いやすくなります。分解できないほど大きな不安は、たいてい実態より大きく見えているだけのこともあります
- その夜のうちに、誰かに話す:家族でも、同僚でも、社外の知人でも構いません。声に出して話すだけで、頭の中だけで抱えていたときより、少し軽くなります。転職エージェントとの面談も、話す相手の一つとして使えます。今すぐ転職を決める必要はなく、状況を客観的に整理してもらうためだけに使っても構いません
「詰められて」眠れないのとは、少し違う話
誤解のないように書いておきます。ここまで書いてきたのは、自分自身がコミットした約束に対するプレッシャーの話です。上司から一方的に詰められて眠れなくなるのとは、性質が少し違います。
後者については、指導とパワハラの境界線を含めて、別の記事で詳しく整理しています。もし「詰められて眠れない」という状態に心当たりがあるなら、そちらもあわせて読んでみてください。
まとめ
- 営業には「コミット」の文化がある。約束を守るという重さが、責任者になるほど増していく
- 眠れないほどのプレッシャーは、局面が終われば戻る「成長痛」であることが多い
- ただし、終わりが見えない・目標が非現実的・誰にも話せていない、この3つが揃うなら、それは消耗であり、環境の問題です
- 眠れない夜は、頭の中身を書き出す・具体的に分解する・その夜のうちに誰かに話す、の3つが有効です
- 上司から一方的に詰められて眠れないケースは、また別の話として整理しています
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- 管理職になったら、部下からの「逆パワハラ」がつらい。転職も選択肢に入れていいのか、当事者だった管理職が書く。
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この記事を書いた人
営業ひとすじ20年。電話営業・インサイドセールスの現場から始まり、約70名の営業組織のマネジメントを経験。採用面接にも数百人単位で関わってきました。「辞めて正解だった人」も「辞めなくてよかった人」も見てきた立場から、テレアポ・インサイドセールス・営業職の次のキャリアについて、きれいごとではない話を書いています。


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