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SaaS業界への転職を調べていると、必ず出てくるのがSDRという言葉です。
「SDR? BDR? IS? FS? AE?」——アルファベットばかりで、正直うんざりしますよね。でも、未経験からSaaSを目指すなら、SDRだけは分かっておいたほうがいいです。あなたが最初に立つ場所が、たいていここだからです。
営業ひとすじ20年、約70名の営業組織を管理してきた立場から、SDRとは何か、そしてテレアポ経験者にとって、それがどれだけ恵まれた入口かを、やさしく書きます。
SDRとは、ひとことで言うと「反響対応の営業」です
SDRは Sales Development Representative の略です。役割をひとことで言うと、見込み客からの問い合わせや資料請求などの「反響」に対応して、商談につなげる営業です(出典:Sansan 営業DX Handbook、オプテモ)。
具体的には、こういう仕事をします。
- 資料請求や問い合わせをしてくれた見込み客に、電話やメール、オンラインで連絡する
- その会社の業界や状況を調べ、困っていること(課題)を聞き出す
- 「これは商談になりそうだ」という相手を、次のフィールドセールスへ引き継ぐ
SaaSが広まって、オンラインで問い合わせが入ってくる場面が一気に増えました。その反響を、こぼさず商談につなげる。それがSDRの役目です。
SDRとBDRの違い(ここがいちばん大事)
SDRとセットでよく出てくるのが BDR です。この2つの違いが、テレアポ経験者にとっていちばん大事なポイントなので、はっきり書きます。
| 起点 | タイプ | |
|---|---|---|
| SDR | お客さまからの反響(問い合わせ・資料請求) | インバウンド(待ち受け型) |
| BDR | こちらからのアプローチ | アウトバウンド(新規開拓型) |
(出典:Salesforceブログ)
もう気づかれたかもしれません。BDRは、テレアポにいちばん近い仕事です。興味を持っているか分からない相手に、こちらから仕掛ける。一方のSDRは、すでに興味を示してくれた相手に対応する仕事です。
テレアポ経験者にとって、SDRは「かなり恵まれた入口」です
ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。
あなたがこれまでやってきたテレアポは、多くの場合、「興味があるかどうか分からない相手に、いきなりかける」仕事だったはずです。断られて当たり前、話も聞いてもらえない。それを毎日続けてきた。
SDRは、その真逆です。相手は、自分から資料請求や問い合わせをしてきた人です。つまり、最初から、興味を持っている。この違いは、実際にやると、想像以上に大きいです。
言い方を変えると、こうです。テレアポは、相手に「話を聞く体制」を作ってもらうところから始まります。 これがいちばん難しい。興味があるかも分からない相手に、まず耳を傾けてもらう。ここで多くの電話が切られます。
ですがSDRは、相手にはもう「話を聞く体制」ができています。 自分から問い合わせてきたのですから、当たり前です。いちばん難しい入口の部分を、相手がすでに越えてくれているわけです。
採用する側から見ても、これは言えます。「興味がない人にかけ続けてきた人」が、「聞く体制ができている人に対応する」側に回ると、たいてい楽に感じます。いちばんきつい訓練を、すでに終えているからです。
だから、未経験からSaaSに入るなら、まずSDRを狙うのが現実的です。求人でも、SDR・インサイドセールスのジュニアポジションは、未経験者向けの入口として広く開かれています。
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ただし、「楽」ではありません。むしろ勉強量は増えます
勘違いしてほしくないので、はっきり書きます。SDRは、テレアポより楽な仕事ではありません。
理由は、相手が興味を持っているからこそです。
問い合わせてきたということは、その人には、叶えたいことがあります。その商材やサービスに、期待している部分がある。だからわざわざ問い合わせたのです。ここが、ただの「見込み客」との大きな違いです。
ということは、どうなるか。その期待に、こちらの提案が合致しないと、一瞬で引かれます。 テレアポなら「話を聞いてくれただけラッキー」でしたが、SDRでは「聞く体制ができているぶん、ズレたら即座に離れていく」のです。恵まれた入口には、その裏返しがあります。
だから、SDRで本当に必要になるのは、これです。相手の期待にそのまま応えられないときに、「代わりに、こういう形ではどうか」と差し出せる引き出しを、自分の中に持っておくこと。
お客さまの求めるものと、自社のサービスが、ぴったり一致するとは限りません。少しズレたとき、そこで引き下がるのか、「その課題なら、うちのこの部分が効きます」と、別の強みで応えられるのか。この差が、商談になるかどうかを分けます。
そのためには、自社の商材の強みを、隅々まで理解しておく必要があります。強みを一つしか知らない人は、それがハマらなかった時点で終わりです。強みを複数、深く分かっている人は、角度を変えて応えられる。だからSDRは、商材の勉強量がテレアポの比ではありません。ここを覚悟して入れば、ギャップに潰されずにすみます。
採る側は、SDR未経験者の「何」を見ているか
面接する側として、未経験でSDRに応募してきた方を、私はこう見ていました。
- 聞く力があるか。SDRは「話す」より「聞き出す」仕事です。テレアポで培った「相手の反応を読む力」は、そのまま武器になります
- 素直に型に乗れるか。SaaSには「こう対応すれば商談になる」という型があります。我流を捨てて乗れる人は強い
- 勉強する気があるか。商材理解が浅いと即バレる世界です。「入ってから覚えます」ではなく「もう調べています」と言える人
SaaSの知識は、なくて構いません。勉強すれば済むからです。見ているのは、いつもその手前の姿勢のほうです。
まとめ:SDRは、テレアポ経験がいちばん活きる入口
SDRは、お客さまからの反響に対応する「待ち受け型」の営業です。こちらから仕掛けるBDR(テレアポに近い仕事)と違って、相手が最初から興味を持っている。だから、いちばんきついアウトバウンドを経験してきたテレアポ出身者にとって、SDRは恵まれた入口になります。
ただし、楽ではありません。数より質、そして勉強量が求められます。 ここを理解して入れば、あなたのテレアポ経験は、SaaSの世界でしっかり活きます。
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※出典を記載した部分は、その媒体の見解・一般的な傾向です。出典のない部分は、筆者が約70名の営業組織を管理してきた中での実感であり、統計ではありません。職種の呼び方や役割分担は、企業によって異なる場合があります。
この記事を書いた人
営業ひとすじ20年。電話営業・インサイドセールスの現場から始まり、約70名の営業組織のマネジメントを経験。採用面接にも数百人単位で関わってきました。「辞めて正解だった人」も「辞めなくてよかった人」も見てきた立場から、テレアポ・インサイドセールス・営業職の次のキャリアについて、きれいごとではない話を書いています。


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