営業を辞めたい、でも何がしたいかわからない人へ。

営業を辞めたい、でも何がしたいかわからない人へ。 営業・テレアポからの転職

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営業を辞めたい。でも、じゃあ何がしたいのかと聞かれると、答えが出ない。この2つが同時にやってくると、身動きが取れなくなります。辞めたい気持ちははっきりあるのに、次が見えないから動けない。動けないまま、また今週も数字を追いかける。そういう場所で足踏みしている方が、この記事を開いてくれたのだと思います。

私は営業の現場に20年いました。対面営業を12年やってから、電話やインサイドセールスに移り、約70名の営業組織をマネジメントしてきました。辞めていった人も、迷って残った人も、たくさん見てきました。その立場から、「辞めたいけど何がしたいかわからない」という状態を、どうほどいていけばいいかを書きます。

まず、「やりたいこと」から探すのをやめてください

先に、一番お伝えしたいことを書きます。「何がしたいか」から入ると、たいていの人は詰まります。

やりたいことが最初から明確にある人は、実はそれほど多くありません。私自身、対面営業を12年やっていましたが、それは「これがやりたい」と思って選んだ道ではありませんでした。目の前の仕事をやっているうちに、向いている部分と、しんどい部分が少しずつ見えてきた。やりたいことは、後から輪郭が出てくるものだと思っています。

だから、真っ白な状態で「私は何がしたいんだろう」と考え込んでも、答えは出にくい。それより先にやるべきは、「今、何が嫌なのか」をはっきりさせることです。やりたいことの多くは、嫌なことの裏返しの中にあります。

「辞めたい」を、3つに分解する

ひとくちに「営業を辞めたい」と言っても、中身はだいたい3つに分かれます。自分がどれなのかで、進む方向がまったく変わります。

1つめ、人と環境が嫌なパターン。上司の詰め方、職場の空気、評価のされ方。仕事そのものより、その環境がしんどい。この場合、辞めたいのは「営業」ではなく「今の職場」です。同じ営業でも、環境が変わるだけで見え方がまるで変わることがあります。

2つめ、仕事の中身が合わないパターン。電話をかけ続けるのがつらい、飛び込みが向いていない、数字を毎日詰められる働き方が苦しい。これは職種の問題です。営業の中でも、やり方の違う職種に移れば解決することがあります。

3つめ、営業という仕事そのものから離れたいパターン。人に売ること、数字を背負うこと自体が、どうしても自分に合わない。この場合は、営業以外の道を含めて考えることになります。

あなたの「辞めたい」は、どれに一番近いでしょうか。ここがぼやけたまま転職すると、環境が嫌だっただけなのに職種ごと変えてしまったり、逆に、仕事自体が合わないのに職場を変えるだけで同じ場所に戻ってしまったりします。

あなたが営業で身につけたものは、思っているより多い

「何がしたいかわからない」の裏には、たいてい「自分には何もない」という不安があります。ここは、はっきり否定させてください。営業を続けてきた人には、他の仕事でも効く力が、確実に身についています。

私が採用にも関わってきた中で、営業経験者を見るときにいつも評価していたのは、次のような力でした。

  • 断られても続けられる耐性。これは根性論ではなく、精神的にきつい状況で仕事を回し続けた実績です。多くの職場で、地味に一番ほしがられる力です
  • 相手に合わせて話を組み立てる力。特に電話の営業を経験した人は、声と言葉だけで相手の状況を測り、伝え方を変えてきています。これは接客でも、社内の調整でも効きます
  • 要点をつかんで、短く伝える力。忙しい相手に用件を通してきた人は、話を要約するのがうまい
  • 数字で自分の動きを見る習慣。目標から逆算して、今日何をするかを考える。この感覚は、営業以外の職種ではむしろ珍しいものです

これらは、あなたが毎日やってきたことなので、自分では価値に気づきにくい。でも、外から見ると立派な武器です。「何もない」のではなく、「あるものに気づいていない」だけのことが、とても多いのです。

方向は、大きく2つに分かれます

辞めたい中身が見えて、自分の武器も棚卸しできたら、次は方向です。ここは無理に一本に絞らず、2つの道を並べて考えるのがおすすめです。

営業の中で、やり方を変える道

「人と環境が嫌」「今の職種のやり方が合わない」という方は、営業を全部やめる必要はないかもしれません。営業には、想像以上に種類があります。新規の飛び込みばかりの働き方から、既存のお客さまを育てていく働き方、問い合わせに対応する働き方まで、しんどさの質がまるで違います。

営業経験がそのまま活きて、給料や役割が上がっていきやすい道もあります。自分に何が向いていて、何が向いていないのかを整理したい方は、こちらの記事から読んでみてください。

営業から、離れる道

「営業という仕事そのものが合わない」とはっきりしているなら、離れる道を真剣に考えていい。ここで大事なのは、勢いで「営業じゃなければ何でもいい」と飛び出さないことです。さっき棚卸しした武器のうち、どれを活かせる仕事なのかを軸に選ぶと、次で同じ思いをしにくくなります。

年収がどう変わるのか、辞める前に何を確認しておくべきか。このあたりが気になる方は、次の記事も参考になります。

動く前に、一つだけ確認してほしいこと

ここまで「辞めたい気持ちを分解しよう」と書いてきましたが、最後に、20年見てきた立場から、はっきり言っておきたいことがあります。目的があって辞めるのと、きついから辞めるのは、まったく別物です。

「この仕事がしたい」「こういう働き方に変えたい」という行き先が定まっていて、そのために今の場所を離れる。これは前に進む転職です。応援できます。

一方で、ノルマがきつい、予算が重い、詰められるのがつらい。その苦しさだけを理由に辞めるなら、正直に言って、それはただの逃げになりがちです。そして逃げの転職は、たいてい何も解決しません。なぜなら、数字を背負うプレッシャーは、行き先を選ばずに辞めれば、次の場所にもだいたい付いてくるからです。環境を変えただけで、同じ壁の前にもう一度立つことになる。私は、それで何度も転職を繰り返してしまう人を、現場で見てきました。

もちろん、心や体が本当に限界なら、まず離れてください。それは逃げではなく、退避です。ここで言っているのは、そうではなく「なんとなくきついから」で流されるように辞めてしまうことの危うさです。

だから、動く前に一度だけ、自分に問いかけてほしいのです。自分の人生のこの先を、ちゃんと考えた上での決断か。それとも、目の前のしんどさから離れたいだけか。ここを正直に見分けられるかどうかで、次の一歩の重みも、その後の何年かも、変わってきます。

迷っているなら、辞める前に考える時間を取ることは、決して遠回りではありません。むしろ、一番効く準備です。

まとめ

  • 「やりたいこと」から探すと詰まりやすい。先に「今、何が嫌なのか」をはっきりさせる
  • 「辞めたい」は3つに分かれる。人と環境/仕事の中身/営業そのもの。どれなのかで進む方向が変わる
  • 営業経験で身についた力は思っているより多い。「何もない」のではなく「気づいていない」だけ
  • 道は2つ。営業の中でやり方を変えるか、営業から離れるか。武器を軸に選ぶ
  • 目的があって辞めるのは前進。きついから辞めるだけなら、プレッシャーは次にも付いてくる
  • この先の人生を考えた上での決断か、目の前のしんどさから離れたいだけか。ここを正直に見分ける

迷っている時間は、無駄ではありません。でも、一人で考え込んでいると、同じところをぐるぐる回りがちです。誰かに話しながら整理すると、自分の「嫌なこと」や「向いていること」の輪郭が、驚くほど早く見えてくることがあります。

この記事に続くテーマも、あわせて読んでみてください。

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この記事を書いた人

営業ひとすじ20年。電話営業・インサイドセールスの現場から始まり、約70名の営業組織のマネジメントを経験。採用面接にも数百人単位で関わってきました。「辞めて正解だった人」も「辞めなくてよかった人」も見てきた立場から、テレアポ・インサイドセールス・営業職の次のキャリアについて、きれいごとではない話を書いています。

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