営業を辞めて後悔する人と、しない人。採用にも関わってきた管理職が見てきた違い。

営業を辞めて後悔する人と、しない人。採用にも関わってきた管理職が見てきた違い。 営業・テレアポからの転職

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営業を辞めたい。でも、辞めて後悔しないだろうか。この不安が、最後の一歩を止めているのだと思います。辞めたい気持ちははっきりあるのに、後悔が怖くて動けない。その気持ちは、よくわかります。

私は営業の現場に20年いて、約70名の営業組織をマネジメントしてきました。辞めていった人を、たくさん見送ってきました。数年後に「辞めてよかった」と晴れやかに言う人もいれば、「辞めなければよかった」と後悔する人もいました。この違いは、運や才能ではなく、辞め方にありました。今日は、その違いを正直に書きます。

後悔した人には、共通点がありました

辞めて後悔した人を思い返すと、いくつか共通するところがあります。

一つめは、逃げるために辞めた人です。何が嫌なのかを分解しないまま、目の前のしんどさから離れたい一心で辞めてしまう。この場合、次の職場でも、形を変えた同じ壁にぶつかります。数字のプレッシャーも、人間関係の悩みも、行き先を選ばずに辞めれば、たいてい付いてきます。「あそこが嫌でここに来たのに、結局同じだ」という後悔は、ここから生まれます。

二つめは、勢いや感情で辞めた人です。詰められた日の帰り道に、カッとなって辞表を出す。次を決めないまま、とにかく今を終わらせたくて動く。冷静なときなら選ばなかった道を、感情のピークで選んでしまう。あとから振り返って「あのとき、もう少し落ち着いていれば」と悔やむパターンです。

三つめは、隣の芝生だけを見て辞めた人です。他の業種が楽そうに見えた、給料が良さそうに見えた。その一面だけで飛び移ると、入ってから「思っていたのと違う」となります。どんな仕事にも、外からは見えない大変さがあります。

四つめは、他責のまま辞めた人です。うまくいかないのを、いつも環境や他人のせいにする。その癖を持ったまま移ると、次の職場でも同じように、うまくいかない理由を外に探し続けます。場所を変えても、本人の見方が変わっていないので、結果も変わりません。

後悔しなかった人は、辞め方が違いました

一方で、辞めてよかったと言えた人たちは、辞める前の動き方が違っていました。

まず、何が嫌なのかを、ちゃんと分解していました。人と環境が嫌なのか、仕事の中身が合わないのか、営業そのものが合わないのか。ここをはっきりさせてから動くので、次の選択がずれません。環境が嫌なだけだった人は、同じ営業でも良い環境に移って生き返りました。仕事の中身が合わなかった人は、働き方の違う職種に移って楽になりました。

次に、自分の武器を棚卸ししていました。断られても続けられる耐性、相手に合わせて話を組み立てる力、要点を短く伝える力。営業で身につけたものを自覚して、それが活きる場所を選ぶ。だから、次の職場でも「自分にはこれがある」と踏ん張れます。

そして、これが一番大きいのですが、辞める前に、やれることをやり切っていました。上司に相談する、部署を変えてもらえないか聞いてみる、今のやり方を一度本気で見直す。やれることを試した上で、それでもだめだった。だから「やるだけやった」という納得があって、後悔が残らないのです。逃げではなく、選び直しとして辞めている。この違いは、その後の何年かを大きく分けます。

後悔、というより「辞めて気づく」こともあります

ここまで後悔する、しないで書いてきましたが、その間に、もう一つの道があります。後悔とまではいかないけれど、辞めてはじめて気づく、というものです。

実は、私自身がそうでした。20年の中で、一度、営業を辞めたことがあります。そのとき後悔したかというと、そこまでではありません。ただ、離れてみて「自分は、恵まれた環境でやっていたんだな」と、はじめて気づきました。中にいるときは当たり前だと思っていたものが、外に出て初めて、ありがたかったと分かる。そういうことが、確かにあります。

大事なのは、辞めたあとに、その視点を持てるかどうかだと思います。「あの環境は恵まれていた」と気づける人は、その気づきを次に活かせます。次の場所で、前の環境の良かった部分を自分から作りにいけるし、なくして初めてわかった大切なものを、大事にできるようになります。逆に、気づかないまま「前もだめ、次もだめ」と渡り歩くと、同じことを繰り返してしまう。辞めるという経験そのものより、そこから何に気づけるかの方が、ずっと大きいのです。

ただし、「辞めない後悔」もあります

ここまで「勢いで辞めるな」と書いてきましたが、反対のことも書いておきます。我慢し続けて、心や体を壊してしまう。これは、辞めなかったことの後悔です。

合わない環境に無理してとどまり、気づいたら心身に不調が出ていた。そうなってから離れるのでは、失うものが大きすぎます。だから、慎重に、と言いながらも、本当に限界のときは別です。それは逃げではなく、退避です。まず離れて、自分を守ってください。落ち着いて考えるのは、そのあとでいい。

後悔しないための鍵は、「勢いで辞めない」ことと「限界まで我慢しない」こと、その両方のバランスを取ることです。

後悔を減らす、辞める前の3つの問い

動く前に、自分にこの3つを問いかけてみてください。

  • これは逃げか、選び直しか。目の前のしんどさから離れたいだけなのか、行きたい方向があるのか
  • やれることを、やり切ったか。相談・異動・やり方の見直し。試さずに「もうだめだ」と決めていないか
  • 次に持っていく武器を、自覚しているか。営業で身についた力のうち、何を活かすのか

3つに落ち着いて答えられるなら、あなたの決断は、後悔の少ないものになるはずです。逆に、どれも曖昧なまま辞めようとしているなら、もう少しだけ考える時間を取ってください。それは遠回りではなく、一番効く準備です。

まとめ

  • 後悔した人の共通点は、逃げ・勢い・隣の芝生・他責のまま辞めたこと
  • 後悔しなかった人は、何が嫌かを分解し、武器を棚卸しし、やれることをやり切ってから辞めた
  • 逃げではなく選び直しとして辞めた人は、次で後悔しにくい
  • 後悔とは別に「辞めて気づく」道もある。恵まれた環境だったと外に出て初めてわかる。その視点を持てる人は、気づきを次に活かせる
  • ただし「辞めない後悔」もある。限界まで我慢して心身を壊すのは別。本当に限界なら、まず退避する
  • 辞める前の3つの問い。逃げか選び直しか/やり切ったか/武器を自覚しているか

辞めて後悔するかどうかを、今から100パーセント見通すことはできません。でも、後悔の確率を下げる辞め方は、確かにあります。焦らず、自分に正直に、順番に考えていきましょう。

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この記事を書いた人

営業ひとすじ20年。電話営業・インサイドセールスの現場から始まり、約70名の営業組織のマネジメントを経験。採用面接にも数百人単位で関わってきました。「辞めて正解だった人」も「辞めなくてよかった人」も見てきた立場から、テレアポ・インサイドセールス・営業職の次のキャリアについて、きれいごとではない話を書いています。

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