テレアポ経験者の転職が失敗に終わる理由。採用担当が見てきたパターン。

テレアポ経験者の転職が失敗に終わる理由。採用担当が見てきたパターン。 営業・テレアポからの転職

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テレアポやアウトバウンドの経験を積んで、転職に踏み出した。でも新しい職場で「こんなはずじゃなかった」という状態になる人が、一定数います。

採用する側に20年いた立場から言うと、テレアポ経験者の転職が失敗に終わるケースには、いくつかのパターンがあります。面接では見えにくいのに、入社後に必ず出てきます。

転職を考えているなら、まずここを読んでください。失敗のパターンは決まっています。知っておくだけで、回避できます。

失敗パターン1:前職の「やり方」を新しい職場に持ち込む

テレアポ経験者が転職で失敗するケースで、最も多いのがこれです。

アウトバウンドの営業経験者は、自分が結果を出してきた方法を持っています。それ自体は悪いことではありません。問題は、その方法が「どこでも通用する」と思い込んでしまうことです。

商材が変われば、トークが変わります。ターゲットが変われば、アプローチも変わります。架電する業界が変われば、担当者が電話に出るタイミングも変わります。前の会社でうまくいったやり方を、そのまま新しい職場に持ち込んでも、はまらないことがあります。

それに気づかず、「前の会社ではこうやっていた」「うちではこのやり方で数字が取れた」と言い続ける人がいます。採用担当として正直に言うと、そういう発言が出始めた時点で、この人は難しいなと感じます。

先入観と固定概念が強い人は、環境に合わせることができません。テレアポで積み上げてきた経験は間違いなく資産ですが、それを「こうでなければならない」という縛りにしてしまうと、新しい職場では逆に足かせになります。

もう少し具体的に言うと、こういった言動が出てきます。架電リストへの不満(「このリストでは取れない」)、商材への疑問(「この商品は売りにくい」)、やり方への口出し(「自分のやり方でやらせてほしい」)。これらは入社後3ヶ月以内に出てくることが多いです。

もちろん、改善提案を出すこと自体は悪くない。でも、新しい職場のやり方をまだ体に入れていない段階で前職の基準で判断するのは早すぎます。まず新しい環境のやり方を覚えて、数字を出してみる。そこから初めて「こうした方がもっと取れる」という提案が生きてきます。

転職先で「このやり方は自分の職場には合わない」と早めに気づいて修正できる人は、うまくいきます。「自分はこのやり方でやってきたんだ」と主張し続ける人は、うまくいきません。

面接では、過去の成功体験を話すことは大切です。ただ同時に「新しい環境ではゼロから学ぶつもりでいる」という姿勢を見せてほしいです。その一言があるかどうかで、採用担当の印象はかなり変わります。

失敗パターン2:個人プレイの感覚が抜けない

テレアポという仕事は、基本的に個人で動きます。自分のトーク、自分の架電数、自分の数字。自分が頑張れば頑張るほど結果が出る、という環境で長く働いてきた人は、チームで動くことへの慣れが少ないことがあります。

70名規模の営業組織をマネジメントしてきた経験から言うと、個人プレイで結果を出してきた人が大きな組織に転職してきたとき、最初の壁になるのがチームワークです。

人と連携して仕事を進める、情報を共有する、誰かの動きを待ってから自分が動く、そういったことへの抵抗感が強い人がいます。「自分がやった方が早い」と思って単独で進めてしまう。報告・連絡・相談が遅い。ミスが起きたときに隠そうとする。

これは性格の問題ではなく、これまでの仕事のやり方から来ているものです。ただ、克服できないまま続けると、チームから浮いていきます。成果が出ても、周りとの関係がうまくいかない。そういった形で失敗していく人を、何人も見てきました。

面接ではギャップを埋めようとして、「チームワークは大切にしています」と話してくれます。でも入社後にどう動くかは、習慣として身についているかどうかで決まります。面接での言葉だけでは判断しにくいので、採用担当も確認しきれません。

転職を考えているなら、現職でチームと連携して何かを達成したエピソードを、具体的に準備してほしいです。「誰かと一緒にやった」という経験が、面接での説得力になります。

失敗パターン3:自分に甘く、PDCAを回せない

テレアポという仕事は「今日何件かけたか」「今日何件アポが取れたか」という数字で終わりやすい仕事です。一日の終わりに数字を見て、よかった・悪かったで終わる。なぜ取れたのか、なぜ取れなかったのかを深く考えない。

こういった環境に長くいると、振り返りの習慣が薄くなります。うまくいかない日が続いたとき、「今日はたまたま悪かった」「リストが悪かった」「時間帯が悪かった」と外側に理由を見つけることが当たり前になっていく。

転職した先で、数字が出ない時期が続いたとします。そのときに「なぜ出ないのか」を自分に向けて考えられる人と、外側に理由を探し続ける人では、3ヶ月後の状態がまったく違います。

自分に甘い人というのは、悪意があるわけではありません。ただ、自分のやり方を変えることへの抵抗が強い。うまくいかないのに同じことを繰り返す。指摘されても表面だけ変えて本質が変わらない。

採用担当として面接でこういった傾向がある人を見抜くのは難しいです。過去の失敗をどう振り返っているかを聞くことで、ある程度は分かります。「うまくいかなかった時期に、自分は何を変えましたか?」という質問に、具体的な答えが出てこない人は少し心配になります。

転職活動中も同じです。書類が通らない、面接で落ちる、そのとき何を変えているか。エージェントに相談して改善しているか。同じことを繰り返していないか。ここが転職の成否にも直結します。

入社3ヶ月が最大の山

テレアポからの転職が失敗するタイミングは、ほぼ決まっています。入社後3ヶ月です。

最初の1ヶ月は研修や慣れない業務で忙しく、うまくいかなくても「まだ慣れていないから」で乗り越えられます。2ヶ月目になると、ある程度の流れは分かってきます。でもまだ数字が出ない。3ヶ月目に「こんなはずじゃなかった」という気持ちがピークになります。

この3ヶ月目に、先ほど書いたパターンが一気に表面化します。「前の会社ではこうだった」という発言が増える。チームとのすれ違いが出てくる。数字が出ないことへの焦りから、PDCAを回さず「やった数」だけを増やしていく。

ここで踏ん張れた人と、踏ん張れなかった人で、その後が大きく変わります。踏ん張れた人の共通点は、うまくいかない原因を自分に向けて考えられたことです。環境や商材のせいにせず、「自分の何を変えればいいか」を考えて動いた人が、半年後に結果を出しています。

転職を考えているなら、この3ヶ月を乗り越えられるかどうかを、自分に問いかけてほしいです。環境が変わると、必ず「こんなはずじゃなかった」という感覚が来ます。そこで折れないための準備が、転職前の段階から必要です。

なぜ面接では見えないのか

採用担当として、こういったパターンを持つ人を面接で見抜けないことがあります。

面接という場では、人は自分をよく見せようとします。「チームワークを大切にしています」「PDCAをしっかり回してきました」「新しい環境でもゼロから学ぶ気持ちでいます」という言葉は、準備していれば誰でも言えます。

でも入社後に、習慣として染み付いたものが出てきます。1週間は気をつけていられても、1ヶ月経てば元に戻ります。それが本人のデフォルトだからです。

ここで正直に言うと、採用担当はポジティブな話よりネガティブな話の方をよく見ています。応募してくれること自体はありがたいし、来てくれる人は大切な存在です。でも、リスクのある人材を採用することは避けたい。だから「この人はどういうリスクがあるか」を面接中にずっと探しています。

ポジティブな内容をどれだけ話してくれても、ネガティブな部分がそれを上回れば採用しません。逆に、ネガティブな部分をポジティブが上回れば採用します。チームにとってプラスになるかどうか、それが最終的な判断軸です。

テレアポは泥臭い営業です。楽して取ろうとする、楽して稼ごうとする、そういった片鱗が面接でちらっと見えた時点で、採用はしません。逆に、泥臭くコツコツと実直にやれる人は、採用担当に伝わります。テレアポという仕事を地道に続けてきた経験は、それ自体が信頼の根拠になります。

採用担当も完璧ではありません。面接で見えなかったギャップは、入社後に会社と本人の両方にとって損失になります。だからこそ、面接では「自分がこういう傾向があって、こう気をつけている」という具体的な話をしてほしいです。弱点を正直に話せる人の方が、信頼できます。

うまくいった転職者に共通していたこと

失敗したパターンを書いてきましたが、テレアポ経験者の転職がすべて失敗するわけではありません。うまくいく人もいます。何百人も見てきた中で、うまくいった転職者に共通していたことがあります。

一つ目は、昨日できなかったことが今日できることに喜びを感じられる人です。新しい職場では、知らないことだらけです。最初は数字が出ない。でもそれを「できないこと」として落ち込むのではなく、「できるようになっていること」として前向きに捉えられる人は、3ヶ月後に大きく伸びます。

二つ目は、雇用形態や立場に関係なく、当事者意識を持てる人です。派遣でも正社員でも、「自分の仕事として動いている」という意識がある人は、周りからの信頼を早く得られます。テレアポ出身者は指示待ちより自発的に動く習慣があることが多く、これはプラスに働きます。

三つ目は、うまくいかなかった経験を正直に話せる人です。面接でも、入社後も、「自分はここが弱い」「ここで失敗した」を話せる人は、周りからサポートを受けやすい。弱さを隠す人より、弱さを開示できる人の方が、チームに馴染むのが早いです。

これらはテレアポの経験と矛盾しません。むしろテレアポで毎日数字と向き合ってきた人は、これらの素地を持っていることが多い。そこに、新しい環境への柔軟さが加わると、転職後に伸びていきます。

転職を失敗させないためにできること

テレアポで積み上げてきた経験は、間違いなく強みになります。架電数・トーク・数字へのこだわりは、多くの営業職で評価されます。その経験を活かしながら、転職で失敗しないために意識してほしいことを書きます。

まず、自分の「型」を疑う習慣を持ってほしいです。過去にうまくいったやり方が、次の職場でも通用するとは限りません。新しい環境に入ったら、まず観察することを優先する。そこでのやり方、そこでの文化、そこでの数字の作り方を学んでから、自分の経験を足していく順番です。

次に、チームで動いた経験を意識的に積んでほしいです。今の職場でも、誰かと連携して何かを達成した経験があるはずです。それを転職活動の中で言語化しておく。「一人でやった」だけでなく「誰かと一緒にやった」話が、面接での幅を広げます。

そして、転職エージェントを使うなら正直に話してほしいです。自分が苦手にしていること、過去に失敗したこと、そういった話をエージェントにできる人の方が、ミスマッチの少ない求人を紹介してもらえます。エージェントは力になってくれます。情報を隠すと、自分が損をします。

もう一つ、意識してほしいのが「目線の高さ」です。テレアポ経験者が転職でよくやってしまうミスとして、前職での基準をそのまま持ち込むことがあります。前の会社での数字の作り方、評価のされ方、チームの動き方、そういった基準で新しい職場を見てしまう。「ここは自分の前職より低い」「この程度なら自分の方がうまくやれる」という目線になると、馴染む前に心が離れていきます。新しい職場の基準はいったん白紙で受け入れる。それができる人が、転職後に活躍しています。

テレアポの経験を持って転職する人の中で、新しい職場でうまくいく人は、自分の経験を「道具」として使える人です。「これしかできない」ではなく「これも使える」という発想で動ける人が、転職後に伸びていきます。

最後に一つ。転職は「環境が変わること」ではなく、「自分が変わるきっかけ」だと思っています。新しい職場に行けば自然と状況が改善するわけではありません。自分の何かを変えようとする意志が、転職の成否を分けます。テレアポで培った、数字に向き合う力・諦めずに動き続ける力は本物です。あとはそこに、柔軟さを一つ加えるだけです。

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この記事を書いた人

営業ひとすじ20年。電話営業・インサイドセールスの現場から始まり、約70名の営業組織のマネジメントを経験。採用面接にも数百人単位で関わってきました。「辞めて正解だった人」も「辞めなくてよかった人」も見てきた立場から、テレアポ・インサイドセールス・営業職の次のキャリアについて、きれいごとではない話を書いています。

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