フィールドセールス(FS)は「やめとけ」と言われる理由。IS経験者が知っておきたい本当のところ

フィールドセールス(FS)は「やめとけ」と言われる理由。IS経験者が知っておきたい本当のところ 営業・テレアポからの転職




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「フィールドセールス やめとけ」と検索して、ここにたどり着いた方へ、先に結論を書きます。

ノルマ、移動、スケジュールの制約。これらは事実としてあります。ですが多くは「フィールドセールスという仕事だから」というより、「決定率という一つの数字で評価される仕事だから」出てくる負担です。何がきついのかを切り分けると、辞めるべきか・続けるべきかの判断がしやすくなります。私は営業ひとすじ20年、インサイドセールスとフィールドセールス、両方の現場と管理を見てきました。その立場から、正確なところを書きます。

なぜ「フィールドセールスはやめとけ」と言われるのか

転職エージェント各社の記事でも、理由として挙げられているのは主に次の4つです(出典:キャリア・エックスSQiL Career Agent)。

  • 売上目標・ノルマのプレッシャーが大きい
  • 訪問型の営業のため、働く場所や時間を自分でコントロールしにくく、移動時間も長くなりやすい
  • 顧客都合でスケジュールが変わりやすく、確度の低い商談にも対応しなければならないことがある
  • 日常的に断られる仕事であり、失注のたびに精神的な負担がかかる

ここに、もう一つ付け加えたいことがあります。フィールドセールスは、インサイドセールスと違って「決めるところまで」を一人で背負う仕事です。アポを取るところまでではなく、契約を取れるかどうかまで、自分の数字になります。この「最後まで自分の責任」という重さが、きつさの正体の多くを占めています。

「みなし残業だから、いくら働いても給料は同じ」は本当か

フィールドセールスの求人でよく見かけるのが「事業場外みなし労働時間制」という言葉です。これを見て、「外回りは残業代が出ない仕組みなんだ」と誤解している人が少なくありません。

正確に説明します。この制度は、労働基準法38条の2にもとづくもので、外回りの営業のように、ほぼ一日中会社の外で働いていて、労働時間を算定することが難しい職種を対象にしています(出典:愛知労働局)。所定の労働時間を働いたものと「みなす」制度であって、残業代そのものをなくす制度ではありません。

そして、ここが一番大事なところです。次のようなケースでは、この制度はそもそも適用されません

  • 携帯電話やチャットで、上司から随時具体的な指示を受けながら動いている
  • 訪問先や訪問時間、移動ルートまで会社側が細かく指定している
  • 事業場で具体的な指示を受けたあとに、外回りへ出ている

今の時代、スマホで位置情報や商談予定を逐一管理されているフィールドセールスは珍しくありません。もしそうなら、労働時間の算定が「難しい」とは言えず、本来はみなし労働時間制の対象外です。「みなし残業だから」と説明されて、実際の残業代が支払われていないなら、それは制度の誤用の可能性があります。ここは、会社の説明をそのまま信じ込まず、一度確認しておく価値があります。

インサイドセールスと、何が違うのか

「やめとけ」という同じ言葉でも、インサイドセールスとフィールドセールスでは、きつさの種類がまったく違います。両方を見てきた立場から、表にしました。

比較項目 インサイドセールス フィールドセールス
評価される数字 アポの数と質 決定率(契約に至った割合)
働く場所 基本的に社内 社外への移動をともなう
きつさの種類 断られ続ける精神的な負担 決め切れないプレッシャーと、移動・体力の負担
裁量の大きさ 比較的、進め方が均一化されやすい 商談をどう運ぶか、個人の裁量が大きい

インサイドセールスは「量」で評価される場面が多く、フィールドセールスは「質」、つまり一件をどれだけ決め切れるかで評価されます。フィールドセールスとは?IS経験者が目指す、決定率が命の仕事で書いたとおり、この評価軸の切り替えに慣れるまで、最初の数ヶ月は戸惑う人が多いです。

「決定率」のプレッシャーは、具体的に何がきついのか

採用担当としてフィールドセールスの評価にも関わってきた立場から、正直に言うと、本当にきついのは「決定率という数字そのもの」ではありません。決め切ることと、無理に決めないことの、板挟みの部分です。

無理な条件で押し切って契約を取れば、数字の上では成功に見えます。ですが、導入後にクレームが出れば、それは会社全体の信用を落とします。カスタマーサクセスの前工程として、フィールドセールスには顧客満足を意識した決め方が求められます。決定率と顧客満足、この両方を成立させないといけないところに、単なる「ノルマがきつい」以上の難しさがあります。

私が採用面接で評価してきたのも、「とにかく決めます」というアピールだけの人より、「無理な決め方はしない、その先の関係まで考えて提案する」と話せる人でした。この感覚を持てるかどうかが、フィールドセールスで消耗するかどうかの分かれ目になっている印象があります。

それでも、フィールドセールスを経験する価値はどこにあるか

ここまで、きつさの正体を具体的に書いてきました。それでも私は、フィールドセールスの経験には価値があると思っています。理由は一つです。「決め切る力」は、これからも人にしか担えない領域だからです。

AIによる商談支援や資料作成の自動化は、これからも進みます。ですが、お客さまが最後に「契約する」と決める瞬間は、理屈ではなく感情で動きます。押すタイミング、あえて引くタイミング。この「間」を読む力は、いまのところ現場で場数を踏んだ人にしかありません。フィールドセールスは、その力を一番濃く鍛えられる場所です。

この判断が正しいかどうかを一人で抱え込まず、業界に詳しい人に一度話してみるのも一つの手です。

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向いている人・向いていない人のセルフチェック

向き不向きを、思い込みで決めないでほしいと思います。次のうち、当てはまる項目が多いほど、フィールドセールスとの相性はいい傾向にあります。

  • 一人で商談の進め方を判断して動くことに、ストレスを感じない
  • 「断られること」より「決め切れないまま終わること」のほうがストレスになる
  • 移動や外での商談に、体力的な抵抗が少ない
  • 相手の表情や場の空気の変化を、対面で読み取るのが得意なほうだ
  • 数字を追いながらも、無理に押し切らない判断ができる

ここで一つ、誤解してほしくないことがあります。当てはまる項目が少なかったとしても、それは「フィールドセールス全般に向いていない」という意味ではありません。今の会社の決定率の運用や教育の仕組みが、あなたに合っていないだけ、というケースも実際には多いのです。

「やめとけ」と感じたときに、まず切り分けたいこと

「もう無理だ」と感じたとき、その原因を一つに絞らず、次の3つのどれに近いかを考えてみてください。対処の方向がまったく違ってきます。

  • ノルマ・決定率という数字そのものが辛い場合:数字で評価されない働き方(例えばカスタマーサクセスやマーケティングなど)に軸足を移すという選択肢があります。
  • 移動や体力が辛い場合:インサイドセールスへ戻る、あるいは在宅比率の高いフィールドセールス求人を探すという選択肢があります。
  • 会社の教育・評価の仕組みそのものが悪い場合:職種を変える必要はなく、環境を変えるだけで解決することが多いです。

この切り分けをせずに「フィールドセールスはもう向いていない」と結論づけてしまうと、次の職場でも同じことで悩む可能性があります。一人で判断がつかないときは、話しながら整理するのも一つの方法です。

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よくある質問

フィールドセールスの給料は、インサイドセールスより高いですか

一般的に、インサイドセールスからフィールドセールスへの異動・転職はキャリアアップの方向とされ、所得や役職が上がるケースが多いとされています。ただし会社やポジションによって幅があるため、求人の想定年収を必ず確認することをおすすめします。

フィールドセールス未経験でも転職できますか

未経験可の求人もありますが、業界や商材によって求められる経験は変わります。「誰でもすぐにできる」と言い切れる仕事ではないため、応募前に求人票の必須条件を確認してください。

フィールドセールスはAIに代替されますか

資料作成や日程調整といった周辺業務はAIに置き換わっていく可能性がありますが、契約を最後に決め切る場面での「間」を読む力は、当面は人に残る領域だと考えています。

結論

「フィールドセールスはやめとけ」と言われる理由の多くは、職種そのものというより、決定率で評価される働き方の特性から来ています。移動や拘束は事実としてありますが、「みなし残業だから残業代が出ない」という説明は、要件を満たしていなければ誤りです。

大事なのは、きつさの正体を「数字」「体力」「会社の仕組み」のどれかに切り分けることです。それができれば、辞めるべきか、環境を変えるべきか、続けるべきかの判断がずっとしやすくなります。

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※出典を記載した部分は、その媒体・行政機関の見解や制度の説明です。出典のない部分は、筆者がインサイドセールス・フィールドセールス双方の現場と管理に関わってきた中での実感であり、統計ではありません。働きやすさや評価は、企業・組織・個人によって大きく変わります。

この記事を書いた人

営業ひとすじ20年。電話営業・インサイドセールスの現場から始まり、約70名の営業組織のマネジメントを経験。採用面接にも数百人単位で関わってきました。「辞めて正解だった人」も「辞めなくてよかった人」も見てきた立場から、テレアポ・インサイドセールス・営業職の次のキャリアについて、きれいごとではない話を書いています。

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