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「辞めたい」とは言えるのに、「じゃあ、何がしたいの」と聞かれると止まってしまう。管理職として20年、部下からの相談を受けてきた中で、これは特別なことではなく、むしろよくあるパターンだと感じています。今の仕事への不満は言葉にできても、その先にある「したいこと」は、簡単には出てこないものです。この記事では、その状態のまま転職エージェントに登録することの噛み合わなさと、その手前にある「キャリアコーチング」という選択肢について書きます。
- 「辞めたい理由」はすぐ出るのに、「したいこと」は出てこない
- 不満の裏返しでは、「したいこと」にはたどり着かない
- なぜ、忙しい人ほど「したいこと」を言葉にする機会がないのか
- ある部下の話(複数の相談を一般化したものです)
- 友人や上司に相談するのと、何が違うのか
- 転職エージェントは「次の一手」を探すプロです
- 軸のないまま転職活動をすると、何が起きるか
- キャリアコーチングという、もう一つの選択肢
- コーチング=転職を決意すること、ではありません
- カウンセリングやコンサルティングとは、役割が違います
- 無料のエージェントと、有料のコーチング。それでも使う価値がある理由
- いきなり契約、ではありません
- 誰にでも必要というわけではありません
- 「したいこと」が見えたら、そこから先はいつも通りです
- まとめ
「辞めたい理由」はすぐ出るのに、「したいこと」は出てこない
営業の現場を管理する立場にいると、部下から「辞めたい」という相談を受けることが定期的にあります。話を聞くと、理由はいくらでも出てきます。ノルマがきつい、人間関係が合わない、この会社のやり方に納得がいかない。ここまでは、誰でもすらすら話せます。
問題はその次です。「じゃあ、辞めてどうしたいの」と聞くと、多くの人がそこで言葉に詰まります。「わからないけど、とにかく今のままは嫌だ」という答えが返ってくることが少なくありません。これは、その人の考えが浅いということではないと思っています。不満を言葉にすることと、自分が本当に大事にしたいものを言葉にすることは、まったく別の作業だからです。
不満の裏返しでは、「したいこと」にはたどり着かない
「今の仕事が嫌だ」という気持ちは、目の前で起きている出来事に対する反応として、比較的すぐに出てきます。ノルマ、上司との相性、評価のされ方。具体的な出来事があるので、言葉にしやすいのです。
一方で「したいこと」は、そう単純には出てきません。自分が何を大事にしたいのか、何をしているときに前向きになれるのか、これまでのキャリアの中で本当は何に手応えを感じてきたのか。こうしたことは、普段の忙しさの中では考える機会そのものがなく、いざ聞かれても、すぐには答えが出ないのが普通です。「したいことがわからない」のではなく、「したいことを言葉にする作業を、まだ一度もしたことがない」だけ、というケースが実際には多いと感じています。
なぜ、忙しい人ほど「したいこと」を言葉にする機会がないのか
営業という仕事は、数字に追われ続ける仕事です。今月の着地、来月の見込み、四半期の進捗。常に「今、何をすべきか」を考え続けているので、「自分は本当は何がしたいのか」という、答えの出ない問いに時間を使う余裕がほとんどありません。むしろ、そういう問いを立てること自体を、どこかで避けているところもあると思います。数字を追っている間は、悩まずに済むからです。
だから、「したいことがわからない」という状態は、その人が特別に自己理解が浅いということではなく、単純に「考える時間そのものを取ってこなかった」結果であることが多いです。忙しさの中では、これは仕方のないことだと思います。問題は、忙しさが続く限り、この状態もずっと続いてしまうということです。
ある部下の話(複数の相談を一般化したものです)
これまで見てきた部下の相談の中に、共通するパターンがあります。「辞めたい」と最初に言ってくる段階では、理由は具体的で、話にも勢いがあります。ところが、「辞めてどうするの」と聞くと、急にトーンが落ちて、「まだ何も決めていません」という答えになる。ここで多くの場合、こちらから「じゃあ、まず何がしたいか考えてみたら」とアドバイスするのですが、これはあまり効果がありませんでした。
理由は単純で、「一人で考えてみる」という方法自体が、その人にとって今までやったことのない作業だからです。一人で考えても、結局いつもの不満に話が戻ってしまい、堂々巡りになる。これは、本人の考える力が足りないのではなく、一人で内省する訓練を積んでこなかっただけだと、今は思っています。ここに、対話を前提にしたコーチングという形式が意味を持ってくるのだと感じます。
友人や上司に相談するのと、何が違うのか
「そういうことなら、友人や信頼できる上司に相談すればいいのでは」と思う方もいると思います。実際、雑談の中で気づきを得られることはありますし、それ自体は悪いことではありません。
ただし、身近な人への相談には、構造的な限界もあります。友人は励ましてはくれても、専門的な問いかけの技術を持っているとは限りません。上司は、あなたが会社を辞めるかもしれないという話を、完全に中立の立場では聞けません。無意識に「辞めないほうがいい理由」を挙げてしまうことも、逆に「辞めたほうがいい」という個人的な意見に引っ張られることもあります。専門のコーチが定期的な対話の時間を確保してくれるサービスには、こうした利害関係のなさと、継続して考え続けられる仕組みという、身近な相談にはない役割があります。
転職エージェントは「次の一手」を探すプロです
ここで一度、転職エージェントという存在について、誠実に整理しておきたいと思います。転職エージェントは、求職者の希望条件やスキルをもとに、次に応募する求人を探し、選考をサポートしてくれるプロです。私自身、このサイトで何度もエージェントの利用を勧めてきましたし、その価値を疑っているわけではありません。
ただし、エージェントとの面談は基本的に「転職する」という方向性がある程度固まっていることを前提に進みます。「どんな仕事に就きたいか」「どんな条件を優先したいか」を尋ねられたときに、「それがまだわからない」という状態だと、面談そのものが噛み合いにくくなります。エージェントが悪いのではなく、そもそも扱っている工程が違うのだと思います。エージェントは「次の一手をどう選ぶか」のプロであって、「そもそも自分が何を求めているか」を一緒に考えるプロではありません。
軸のないまま転職活動をすると、何が起きるか
「したいこと」が言葉になっていないまま転職活動を始めると、いくつかの形でつまずきが起きます。管理職として、実際にこういう場面を見てきました。
- 求人を見ても、良し悪しを判断する軸がなく、なんとなく良さそうというだけで応募先を決めてしまう
- いざ内定が出ても、「本当にこれでいいのか」という迷いが消えず、決断できない
- 「なんとなく今より良さそう」という理由だけで転職しても、半年後にまた同じ不満を抱えることになる
これらに共通しているのは、判断の軸が「今の嫌なことから離れたい」という一点だけになってしまっていることです。離れることはできても、その先で何を求めているかが定まっていないと、また同じ場所に戻ってきてしまいます。
キャリアコーチングという、もう一つの選択肢
そこで知っておいてほしいのが、キャリアコーチングという選択肢です。転職エージェントが「次の求人を探す」ことを目的にしているのに対して、キャリアコーチングは「自分が何を大事にしたいのか、どこに向かいたいのかを、対話を通じて自分の言葉で整理していく」ことを目的にしています。転職するかどうかを決めるところから始めても構いません。
今回紹介するZaPASSコーチングキャリアは、ZaPASS JAPAN株式会社が運営する、30〜40代のビジネスパーソンを対象にしたオンラインのキャリアコーチングサービスです(サービス内容は同社公式サイトの案内による)。独自の性格診断をもとに、相性の良いコーチとマッチングし、対話を重ねながら中長期的なキャリアの方向性を一緒に言語化していく、というのが基本的な流れです。まずは無料の事前面談から始まる仕組みになっています。料金やコーチの体制など、詳しい内容は公式サイトで確認してみてください。
コーチングは、答えを与えてくれるものではありません。問いかけを通じて、自分の中にすでにある考えを引き出していく作業です。だからこそ、「辞めたい理由」は出てくるのに「したいこと」が出てこない、という今の状態にちょうど合っていると思います。
コーチング=転職を決意すること、ではありません
ここは誤解されやすいところなので、はっきり書いておきます。キャリアコーチングを受けたからといって、転職しなければならないわけではありません。対話の結果、「今の会社に残りながら、働き方や役割を変えていく」という結論になることもありますし、「辞めたい理由がはっきりして、むしろ今のままでいいと納得できた」というケースもあり得ます。コーチングのゴールは転職そのものではなく、自分の考えを整理して、納得のいく判断ができる状態にすることです。まだ何も決めていない段階でも、気負わずに使える性質のものだと考えてください。
カウンセリングやコンサルティングとは、役割が違います
似たような言葉に、カウンセリングやコンサルティングがあります。ざっくり整理すると、カウンセリングは心の状態のケアに重心があり、コンサルティングは専門家が答えや解決策を提示することに重心があります。それに対してキャリアコーチングは、答えを与えるのではなく、対話の中の問いかけを通じて、本人がすでに持っている考えを引き出していく、という立ち位置です。「答えを教えてもらう」ものではなく、「自分で答えにたどり着く手助けをしてもらう」ものだと捉えておくと、実際のセッションのイメージがつきやすいと思います。
無料のエージェントと、有料のコーチング。それでも使う価値がある理由
転職エージェントは基本的に無料で使えます。一方でキャリアコーチングは有料です。ここだけを比べると、無料のほうが得に見えるかもしれません。それでも、この記事であえて有料のコーチングを紹介しているのには理由があります。
無料のサービスには、無料である以上の役割は期待しにくい、という側面があります。エージェントが無料で成り立っているのは、転職が成立したときに、採用した企業側から紹介料が支払われる仕組みだからです。つまりエージェントの収益構造は「転職を成立させること」に紐づいています。それ自体は自然なビジネスの仕組みであって、悪いことではありません。ただし、「まだ転職するかどうかもわからない」段階の相談に、無料でどこまで時間を割いてもらえるかというと、限界があります。
一方、コーチングにお金を払うということは、「自分の考えを整理する時間」そのものに対価を払うということです。利害関係のない相手に、決まった時間、自分だけのために向き合ってもらう。利害関係のない相手だからこそ、遠慮なく、まとまらない考えのままでも話し始められます。忙しさを理由に後回しにしてきた「自分は何がしたいのか」という問いに、初めてまとまった時間を割く。そのきっかけとして、対価を払うことには意味があると考えています。
いきなり契約、ではありません
「コーチとの相性が合わなかったらどうしよう」という不安を持つ方もいると思います。ZaPASSコーチングキャリアは、いきなり本格的なコーチングが始まるのではなく、まず運営スタッフとのオンライン無料面談からスタートします。ここでサービスの説明を受け、性格診断などをもとにした最適なコーチやプランの提案を受ける、という流れです。話を聞いた上で、合わないと感じればそこで見送るという判断もできるはずです。まずは話を聞いてもらう、という軽さで始められる設計になっている点は、最初の一歩を踏み出しやすくしてくれます。
誰にでも必要というわけではありません
すでに「次はこの業界のこの仕事がしたい」と、はっきり言葉にできている人には、コーチングよりも先に転職エージェントに相談したほうが早いはずです。エージェントは実際の求人情報と選考のノウハウを持っていて、そこはコーチングでは補えません。
コーチングが機能しやすいのは、「辞めたい」という気持ちはあるのに、その先の言葉が出てこない段階にいる人です。今の自分がどちらの状態に近いか、まずはそこを見極めてみてください。
「したいこと」が見えたら、そこから先はいつも通りです
キャリアコーチングを通じて自分の方向性がある程度見えてきたら、そこから先は、これまでこのサイトで書いてきた話がそのまま役に立ちます。次にどんな仕事、どんな業界を見ていくか、応募先をどう絞るか、面接でどう伝えるか。ここから先は、まさに転職エージェントの得意分野です。コーチングとエージェントは、対立するものではなく、順番の違うものだと捉えてください。「したいこと」を言葉にする作業を済ませてから、「次の一手」を探すエージェントに相談する。この順番を踏むだけで、同じ転職活動でも、選ぶ求人の見え方はかなり変わってくるはずです。
20年、営業の現場と、部下のキャリア相談の両方を見てきて思うのは、「したいことがわからない」という状態を、本人の弱さのように扱ってしまう空気が、まだ根強く残っているということです。忙しく働き続けてきた人ほど、この問いに向き合う時間を持てていないだけで、それは弱さではなく、単純に機会がなかっただけです。まずは10分だけ時間を取って、紙に「今の仕事で譲れないこと」と「本当はやってみたいこと」を書き出してみてください。
まとめ
- 「辞めたい理由」はすぐ出ても、「したいこと」がすぐ出てこないのは、珍しいことではありません
- 転職エージェントは「次の一手」を探すプロで、「そもそも何を求めているか」を一緒に考える工程は前提として扱っていません
- 軸が定まらないまま転職活動をすると、応募先を選べない、内定が出ても決断できない、転職しても同じ不満に戻る、という形でつまずきやすくなります
- キャリアコーチングは、対話を通じて自分の考えを言葉にしていくプロセスで、転職するかどうかも含めて相談できます
- すでにしたいことが決まっている人は、コーチングより先にエージェントへ相談したほうが早いはずです
この先の記事も、あわせて読んでみてください。
- 営業を辞めたい、でも何がしたいかわからない人へ。
- 管理職になれない営業、待つか・社内異動か・転職か。外資系のピラミッド構造で頭打ちになった管理職候補が書く。
- 営業に向いてない気がする。それ、本当に向いてないのか。
「辞めたい」は言えても、「したいこと」がまだ言葉にならない。そんな状態なら、いきなり転職活動を始めるより、対話を通じて自分の考えを整理するところから始めるという方法もあります。まずは無料の事前面談から。転職するかどうかは、その後で決めても構いません。
30〜40代向けキャリアコーチング
まずは無料の事前面談【ZaPASSコーチングキャリア】


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