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ノルマがきつい。数字に追われる毎日から解放されたい。ノルマのない営業に移れないだろうか。そう考えて、この記事を開いてくれたのだと思います。
私は営業の現場に20年いて、約70名の営業組織をマネジメントしてきました。採用にも関わってきた立場から、この問いに正直に答えます。きれいごとは書きません。
先に結論です。ノルマが完全にゼロの営業は、ほぼありません。ただし、ノルマの「重さ」と「詰められ方」は、職種によって驚くほど変わります。だから、目指すべきは「ノルマのない営業」ではなく、「自分に合う重さの営業」を選ぶことです。ここを取り違えると、転職しても同じ場所に戻ってしまいます。
まず、「ノルマが嫌」の中身を分解する
ひとくちに「ノルマが嫌」と言っても、何が嫌なのかは人によって違います。ここがぼやけたまま職種を変えると、ずれた選択になります。だいたい、3つに分かれます。
1つめ、数字を追うこと自体が嫌。目標を背負って、毎月それを追いかける働き方そのものがしんどい。この場合は、営業以外の道も視野に入ってきます。
2つめ、未達のときの詰められ方が嫌。数字を追うのは平気だが、できなかったときに責められる空気が耐えられない。これは職種というより、職場と上司の問題です。同じノルマでも、環境が変われば見え方がまるで変わります。
3つめ、新規開拓のプレッシャーが嫌。知らない相手にゼロから売り込む、断られ続ける、この部分がつらい。これなら、既存のお客さまと向き合う営業に移るだけで、かなり楽になります。
あなたの「ノルマが嫌」は、どれに近いでしょうか。ここがはっきりすると、次に見る表の読み方が変わります。
営業職種ごとの、ノルマの重さ
同じ「営業」でも、数字の重さと詰められやすさは全然違います。私が現場で見てきた実感を、ざっくり表にしました。あくまで傾向で、会社によって差はあります。
| 職種 | ノルマの重さ | 新規開拓の量 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 新規飛び込み・訪問営業 | 重い | 多い | 断られても切り替えられる人・稼ぎたい人 |
| テレアポ・SDR(反響対応) | やや重い | 多い | 数をこなせる人・改善を回せる人 |
| ルート営業・既存深耕 | 中くらい | 少ない | 関係を育てるのが得意な人 |
| カスタマーサクセス | 軽め(数字の質が変わる) | ほぼない | お客さまの成功を支えるのが好きな人 |
「ノルマの軽い営業がいい」という方の定番の移り先が、ルート営業です。すでに取引のあるお客さまを回る働き方で、ゼロから新規を取り続ける重さがありません。数字がまったくないわけではありませんが、新規開拓中心の職種にくらべると、背負うものの質が変わります。「新規開拓のプレッシャーが嫌」だった方は、このルート営業やカスタマーサクセスに近づくほど楽になります。「詰められ方が嫌」だった方は、職種より先に、環境の良い会社を選ぶことが効きます。
それぞれの職種を、もう少し詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
正直に言うと、ここにトレードオフがあります
ここは、耳の痛い話かもしれませんが、書いておきます。ノルマが軽い仕事は、そのぶん収入の上振れも小さくなりがちです。
営業でインセンティブが大きく乗るのは、たいてい数字を重く背負う職種です。新規をどんどん取れば、そのぶん給料に跳ね返る。逆に、ノルマの軽い職種は、安定している代わりに、大きく稼ぐ幅は狭くなる傾向があります。
だから、「ノルマが軽くて、かつ年収も高い営業」を探すと、なかなか見つかりません。あなたが優先したいのは、心の負担の軽さでしょうか、それとも収入の上限でしょうか。ここを自分の中で決めておくと、求人を見るときに迷わなくなります。どちらが正解ということはありません。今の自分にとってどちらが大事か、それだけの話です。
ノルマには、ちゃんと意味があります
ここまでノルマを「軽くする」方向で書いてきましたが、公平のために、反対側も書いておきます。私は20年、ノルマのある営業をやってきました。その立場から言うと、ノルマは、必ずしも悪者ではありません。
まず、数字を背負うからこそ、インセンティブがあります。取れば取っただけ給料に跳ね返る。がんばりが目に見えて報われる仕事は、実はそれほど多くありません。ノルマは、その見返りとセットになっています。
そして、これは私自身の実感ですが、数字を追う緊張感は、やりがいの源でもあります。目標に届かず悔しい思いをして、翌月それを超えたときの手応え。お客さまに選んでもらえた瞬間の充実感。この浮き沈みがあるからこそ、営業という仕事は面白い、と感じてきました。ノルマがまったくない働き方には、この手応えも生まれにくい。楽なぶん、張り合いも薄くなる。そういう面があります。
だから、もしあなたが「数字を追うこと自体は嫌いじゃない。ただ、今の詰められ方や環境がしんどいだけだ」と気づいたなら、営業を離れる必要はないかもしれません。ノルマを捨てるのではなく、同じ数字の世界で、環境を変えるだけで見え方が変わることがあります。営業を選び続けるのも、りっぱな答えです。
「逃げる」ではなく「選び直す」
最後に、一番伝えたいことを書きます。
ノルマがきつくて辞めたい、という気持ちはよくわかります。でも、「ノルマから逃げたい」だけを軸に動くと、たいていうまくいきません。なぜなら、どんな仕事にも、形は違えど目標や責任は付いてくるからです。数字という形でないだけで、締め切りや品質やお客さまの期待という「別のノルマ」が待っています。
だから、逃げるのではなく、選び直してください。自分は数字を追うこと自体が嫌なのか、詰められ方が嫌なのか、新規開拓が嫌なのか。それを見極めて、自分に合う重さの働き方を選ぶ。これができた人は、次の職場で長く続きます。私が見てきた中で、転職して良かった人は、みんなこの見極めができていました。
まとめ
- ノルマが完全にゼロの営業は、ほぼない。目指すのは「自分に合う重さ」
- 「ノルマが嫌」を3つに分解する。数字自体/詰められ方/新規開拓。どれかで向かう先が変わる
- 職種によってノルマの重さは大きく違う。新規飛び込みは重く、カスタマーサクセスは軽め
- ノルマが軽い仕事は、収入の上振れも小さくなりがち。負担の軽さと収入、どちらを優先するか決める
- ノルマは悪者ではない。インセンティブとやりがいの源。数字が嫌でないなら、営業を選び続けるのもりっぱな答え
- 逃げるのではなく選び直す。合う重さを見極めた人が、次で長く続く
今の職場のノルマがつらいこと、辞めたいと感じること自体は、何も悪いことではありません。大事なのは、その気持ちを一度ちゃんと分解してから動くことです。「辞めたいけれど何がしたいかわからない」という段階の方は、こちらの記事も読んでみてください。
- 営業を辞めたい、でも何がしたいかわからない人へ。
- 営業に向いてない気がする。それ、本当に向いてないのか。
- 営業を辞めて後悔する人と、しない人。採用にも関わってきた管理職が見てきた違い。
- 営業がしんどい、もう限界かもしれない。そう感じたときに読んでほしい。
- テレアポの年収は低い。でも転職でどこまで上がるか、採用担当が見てきた現実
20代で「今のノルマがつらい、でも次で何を選べばいいかわからない」という方は、無料で相談できるサポートもあります。自分に合う働き方を、一緒に棚卸しするところから始められます。
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この記事を書いた人
営業ひとすじ20年。電話営業・インサイドセールスの現場から始まり、約70名の営業組織のマネジメントを経験。採用面接にも数百人単位で関わってきました。「辞めて正解だった人」も「辞めなくてよかった人」も見てきた立場から、テレアポ・インサイドセールス・営業職の次のキャリアについて、きれいごとではない話を書いています。


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