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営業をやっていれば、予算やノルマに届かないことは必ずあります。問題は届かないこと自体ではありません。届かないと分かった瞬間に、その人が何をするか、どんな発言をするか。ここに、普段は見えない本性が出ます。私は営業の現場に20年いて、約70名の営業組織をマネジメントしてきました。この記事では、未達が見えたときに人がどう分かれるか、そしてそれが評価にどう影響するかを書きます。
「届かない」と分かった瞬間に、2つに分かれます
高すぎる目標だった、途中で大きな案件を落とした、そもそも見込みが足りなかった。理由は色々ありますが、「今月はどうやっても届かないな」と本人が気づく瞬間が、営業には必ずあります。ここでの行動は、大きく2つに分かれます。
1つは、ピンチをチャンスと捉えて、最後まで愚直にやり続ける人。届かないと分かっていても、1件でも多く積み上げる。次に向けての種をまく。あるいは、何が原因だったのかを自分なりに整理しにいく。
もう1つは、そこで投げ出してしまう人。「どうせ無理だから」と動きを止める。ネガティブな発言が増える。周りに愚痴をこぼす回数が増える。この違いが、私が「本性が出る」と言っている部分です。
なぜ、これが「本性」なのか
調子がいいときは、誰でも前向きです。数字が伸びているときに機嫌が悪い人は、あまりいません。本性が出るのは、うまくいっていないときです。追い詰められたときにどう振る舞うかは、その人が普段どれだけ取り繕っていても、隠しきれないものだと思っています。
これは能力の話ではありません。優秀な人でも投げ出す人はいますし、成績が振るわない人でも最後まで踏ん張る人はいます。私が見てきた中で分かれ目になっていたのは、能力よりも、この「届かないと分かったときの振る舞い方」でした。
評価制度の期間を理解しているかどうかで、動き方が変わります
ここで、もう一つお伝えしたいことがあります。多くの会社では、毎月の予算はあっても、実際の評価は月単位で完結しないことが多いです。四半期に1回の会社もあれば、半期に1回、年に1回という会社もあります。
この違いを理解しているかどうかで、未達が見えたときの動き方は変わってきます。仮に評価が四半期ごとなら、今月落としても、残り2ヶ月でショートした分を取り返せば、評価期間全体では帳尻を合わせられます。「今月がダメだったから、もう終わりだ」ではなく、「今月の分は、来月・再来月で取り返しにいく」という発想に切り替えられるかどうかです。
投げ出してしまう人の中には、この評価期間の仕組みを理解しないまま、単月の結果だけで自分を追い込んでしまっているケースが少なくないと感じています。逆に、最後まで踏ん張れる人は、単月の未達を評価期間全体の中の一部として捉え直せている人が多い印象です。自分の会社の評価制度が、どのスパンで見られているのかを正確に把握しておくこと自体が、一つの備えになります。
ネガティブな発言は、周りに伝染します
投げ出したときに出てくる発言、たとえば「どうせ届かない」「今月はもう無理」といった言葉は、本人が思っている以上に周りに伝わります。チームで数字を追っている以上、1人のネガティブな空気は、隣の人のモチベーションにも影響します。管理する立場から見ると、これは見過ごせないリスクです。
能力があっても、追い詰められたときに周りを巻き込むように崩れる人がいると、その人1人の未達以上に、チーム全体の数字に響くことがあります。だからこそ、管理者はこの「うまくいかないときの振る舞い」を、思っている以上によく見ています。
契約更新の判断材料になっていたのは、事実です
正直に書きます。私がマネジメントしていた組織では、派遣スタッフやアルバイトの方の契約更新を判断する際、この「本性が出たときの様子」も、判断材料の一つに含まれていました。数字だけを見て判断していたわけではありません。届かなかったときにどう動いたか、どんな発言をしていたか。ここも含めて見ていたというのが実際のところです。
誤解のないように補足しておきます。契約更新は、態度だけで決まるものではありません。実績や業務適性、そのときどきの組織の状況など、複数の要素を総合して判断されるのが実際です。ここで伝えたいのは、その複数の要素の中に「届かなかったときの振る舞い」も含まれている、ということです。これは、脅すために書いているのではありません。数字が出ないこと自体を責めているのでもありません。ただ、届かなかったときにどう振る舞うかは、数字と同じくらい、あるいはそれ以上に見られているという現実を知っておいてほしいのです。
自分の傾向を、一度振り返ってみてください
ここまで読んで、思い当たる節がある方もいるかもしれません。自分を責めるためではなく、今後のために、次の3つを振り返ってみてください。
- 未達が見えたとき、自分はどんな発言をしているか。口に出す言葉は、思っている以上に周りに届いています
- 自分の会社の評価は、月単位か、四半期・半期単位か、正確に把握しているか。把握していないと、単月の結果だけで必要以上に自分を追い込んでしまいます
- 届かないと分かった後も、最後まで手を動かし続けられているか。結果が変わらなくても、動き続けたという事実は、後から振り返ったときに自分の財産になります
もし、この振り返りの中で「今の会社では、うまくいかないときの自分がずっと悪い方向に出てしまう」と感じるなら、それは環境が合っていない可能性もあります。評価のスパンが極端に短く、常に単月で追い詰められる仕組みになっている会社もあれば、もう少し長い目で見てくれる会社もあります。
まとめ
- 予算やノルマに届かないと分かった瞬間の振る舞いに、その人の本性が出ます
- 愚直にやり続ける人と、投げ出してネガティブな発言をする人に分かれます
- 評価が月単位で完結しない会社では、単月の未達を評価期間全体の中で取り返す動き方ができるかどうかが分かれ目になります
- ネガティブな発言・態度は周りに伝染するため、管理者はここを見ています
- 契約更新の判断材料に、この「うまくいかないときの様子」が実際に使われることはあります
この先の記事も、あわせて読んでみてください。
- 営業で詰められるのは当たり前なのか。未達の原因は本人より上司にある、と管理職が書く。
- 営業のノルマが届かず、震えるほど眠れない夜がある。20年現場にいた管理職が正直に書く。
- 「当事者意識がある人」は、雇用形態に関係なく伸びる。採用にも関わってきた管理職が見てきたこと。
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この記事を書いた人
営業ひとすじ20年。電話営業・インサイドセールスの現場から始まり、約70名の営業組織のマネジメントを経験。採用面接にも数百人単位で関わってきました。「辞めて正解だった人」も「辞めなくてよかった人」も見てきた立場から、テレアポ・インサイドセールス・営業職の次のキャリアについて、きれいごとではない話を書いています。


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