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自分は営業に向いていないんじゃないか。数字が伸びない、断られるのがつらい、まわりと比べて落ち込む。そんな毎日の中で、この記事を開いてくれたのだと思います。
私は営業の現場に20年いて、約70名の営業組織をマネジメントしてきました。採用にも関わってきた立場から、はっきり言えることがあります。「向いていない気がする」と感じている人の多くは、本当は向いていないのではありません。やり方をまだ知らないだけ、もしくは、合わない環境に置かれているだけのことが、とても多いのです。
この記事では、「向いていないと感じるだけ」なのか「本当に見直した方がいい」のかを、チェックリストで一緒に切り分けていきます。
まず知ってほしい、「向いてない」の正体
営業で数字が出ないとき、人はすぐ「向いていない」と自分を結論づけます。でも、現場を長く見てきて思うのは、伸び悩みの原因はたいてい、才能ではなく、もっと具体的なところにあるということです。
提案の数が足りない。クロージングのタイミングがずれている。提案したあとの詰めが弱い。言い切れずに、伺い口調になっている。私が見てきた未達の原因は、だいたいこの4つに絞られます。どれも、性格や才能の問題ではなく、直せる技術の問題です。
そして、もう一つ大事なことがあります。同じ商材、同じリストで、隣の人は取れているのに自分だけ取れないなら、それは個人の課題です。でも、チーム全体が苦しんでいるなら、それはあなたの適性の問題ではなく、商材や環境の問題です。トップの人の数字も、実は担当した商材の難しさで大きく変わります。数字だけを見て「自分はダメだ」と決めるのは、早すぎます。
むしろ、向いてないと思う人ほど、向いていることがあります
ここからは、20年見てきた私の持論として読んでください。一概には言えない話ですが、参考になると思います。
私の実感では、「自分は営業に向いていない」と言う人ほど、案外向いていて、「俺は営業に向いている」と自信のある人ほど、実はそうでもない、ということがよくあります。
「向いていない」と感じる人は、内向的だったり、人見知りだったりすることが多い。だから自分は営業に不利だと思い込みがちです。でも、考えてみてください。人見知りの人というのは、ふだんから相手の顔色や様子を、よく観察しています。この人は今どんな気分か、どこまで踏み込んでいいか、それを自然に読んでいる。だからこそ、距離の取り方や、相手に合わせた接し方が、むしろうまいのです。営業で一番大事なのは、勢いよく話すことではなく、相手をよく見ることです。人見知りの人は、その土台をすでに持っています。
逆に、「自分は営業に向いている」と信じて疑わない人は、たしかに物おじせず踏み込める強みがあります。それ自体はいいことです。ただ、私が見てきた範囲では、話が一方的になりやすく、押しが強すぎて、あとからクレームにつながることも少なくありませんでした。取れればいい、というものではありません。
もちろん、これがすべてではありません。天性で営業に向いている人も、確かにいます。だから決めつけはしません。ただ、「自分は人見知りだから営業に向いていない」と思っている方には、一つだけ伝えたいのです。その観察力は、営業では立派な才能です。向いていないと思い込んでいるだけの可能性が、十分にあります。
チェック1:これは「向いてないだけの気がする」サイン
次に当てはまるなら、あなたは向いていないのではなく、まだ伸びしろの中にいる可能性が高いです。
- 断られるのはつらいが、「どうすれば次は取れるか」はまだ考えられている
- うまくいった日は、少し楽しいと感じることがある
- 先輩のトークを聞いて「なるほど」と思うことがある
- 数字が出ないのは、やり方に原因がある気がしている
- 入社してまだ日が浅い、または、まともに教わっていない
これらに心当たりがあるなら、今つらいのは、向き不向きではなく、経験と環境の問題です。あと少し、正しいやり方を教わる機会があれば、景色が変わることは十分にあります。特に、きちんと指導してくれる上司や環境に移るだけで、伸びる人をたくさん見てきました。
チェック2:一度立ち止まった方がいいサイン
一方で、次のような状態が長く続いているなら、無理に営業にしがみつく必要はないかもしれません。
- 売ること自体に、どうしても気が進まない。お客さまに勧める行為がつらい
- 数字を追う働き方そのものが、心から合わないと感じる
- 考えることを、もう放棄してしまっている。「どうすれば取れるか」より「どうこの場をしのぐか」しか浮かばない
- 体や心に、はっきりした不調が出ている
3つめの「考えることを放棄している」状態には、少し補足させてください。これは、あなたが怠けているのではなく、断られ続け、責められ続けた結果、環境があなたの考える力を奪っている場合があります。つまり、これも必ずしも適性の問題ではなく、環境が限界を超えているサインのことがあります。心当たりがあるなら、まず環境を変えることを考えてください。
「うまくいかない時」ほど、自分が見える
もう一つ、20年見てきて確信していることを書きます。人の本当の姿は、調子のいい時ではなく、うまくいかない時に出ます。
数字が出ないとき、他人や環境のせいだけにして考えるのをやめてしまう人は、どの仕事に移っても同じ壁にぶつかります。逆に、つらい時でも「自分にできることは何か」を探せる人は、営業に残っても、別の道に進んでも、必ず伸びていきます。向き不向きより、この姿勢の方が、その後を大きく分けます。
だから、今のあなたに問いたいのは、「営業に向いているか」よりも、「うまくいかない時に、自分と向き合えているか」です。ここができていれば、向き不向きは、それほど大きな問題ではありません。
それでも合わないと思ったら
チェック2に当てはまり、環境を変えても気持ちが変わらないなら、営業の中で働き方を変えるか、営業以外の道を考えていいと思います。あなたが営業で身につけた力は、他の仕事でもちゃんと効きます。断られても続けられる耐性、相手に合わせて話を組み立てる力、要点を短く伝える力。これらは、どこへ行っても武器になります。
次の一歩をどう考えればいいかは、こちらの記事も参考にしてください。
- 営業を辞めたい、でも何がしたいかわからない人へ。
- インサイドセールスに向いてる人・向いてない人。応募する前の自己診断チェックリスト
- テレアポに向いている人・向いていない人、採る側が見てきた違い
- ノルマのない営業は、あるのか。20年見てきた管理職が正直に書く。
- 営業を辞めて後悔する人と、しない人。採用にも関わってきた管理職が見てきた違い。
- 営業がしんどい、もう限界かもしれない。そう感じたときに読んでほしい。
まとめ
- 「向いてない気がする」の多くは、才能ではなく、やり方と環境の問題
- むしろ「向いてない」と言う人ほど向いていることがある。人見知りの観察力は営業の才能。逆に自信過剰は押しすぎのリスク(※持論・一概には言えない)
- 未達の原因はだいたい4つ。提案数・タイミング・詰め・伺い口調。どれも直せる技術
- 「次はどうするか」を考えられているうちは、まだ伸びしろの中にいる
- 考えることを放棄させられているなら、それは適性ではなく環境が限界を超えたサイン
- 向き不向きより、うまくいかない時に自分と向き合えるかが、その後を分ける
向いていないかもしれない、と悩むこと自体は、あなたが真剣に向き合っている証拠です。その気持ちを、自分を責める材料にしないでください。まず、今のつらさが「やり方と環境」なのか「本当の不向き」なのかを、落ち着いて切り分けるところから始めましょう。
20代で「営業が向いていない気がするが、次に何が合うのかわからない」という方は、無料で相談できるサポートもあります。向き不向きや、これからの方向を、一緒に棚卸しするところから始められます。
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この記事を書いた人
営業ひとすじ20年。電話営業・インサイドセールスの現場から始まり、約70名の営業組織のマネジメントを経験。採用面接にも数百人単位で関わってきました。「辞めて正解だった人」も「辞めなくてよかった人」も見てきた立場から、テレアポ・インサイドセールス・営業職の次のキャリアについて、きれいごとではない話を書いています。


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