初めての営業なら、「年中募集」のきつい会社に飛び込んでもいいと思う理由。

初めての営業なら、「年中募集」のきつい会社に飛び込んでもいいと思う理由。 営業・テレアポからの転職

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求人サイトを見ていて、「この会社、いつ見ても求人を出しているな」と気づいたことがある人は多いと思います。「年中募集している会社は避けたほうがいい」というのは、転職の世界ではよく言われる話です。私は営業ひとすじ20年、約70名の営業組織をマネジメントし、採用にも関わってきました。この定説は間違ってはいないと思う一方で、初めて営業をやるという人に限って言えば、少し違う考えも持っています。今日はその本音を書きます。

先に断っておくと、これは「ブラック企業でも我慢して働け」という話ではありません。むしろ逆で、何を我慢すべきで、何を我慢すべきでないかを、きちんと切り分けて考えるための話です。「年中募集」という言葉だけを見て反射的に避けてしまう前に、一度立ち止まって考える材料にしてもらえたらと思います。

「年中募集」が意味すること

年中求人を出している会社は、単純に言えば人の入れ替わりが激しい会社です。理由はいろいろありますが、多くの場合、仕事の厳しさに耐えられず辞めていく人が一定数いる、ということを意味します。数字へのプレッシャーが強い、指導が厳しい、体力的にハード。こうした環境が背景にあることが多いです。だからこそ「避けたほうがいい」という助言が広く言われるのだと思います。この見方自体を否定するつもりはありません。

ただし、年中募集している理由が、必ずしも「厳しさに耐えられず辞めていく」だけとは限りません。事業自体が急拡大していて、単純に採用の枠を増やし続けている、というケースもあります。この場合は、厳しさというより、勢いのある環境という側面が強くなります。もちろん、成長期特有の忙しさや体力的な負担はありますが、これは今回書く「厳しい指導文化」とは少し性質が違う話です。求人票や面接で「なぜ求人を出し続けているのか」を確認すると、この2つのどちらに近いのかが見えてきます。もっとも、この記事で中心的に扱いたいのは、後者(厳しさゆえに入れ替わりが激しい環境)についての話です。

それでも、初めて営業をやるなら「何でもやってみたらいい」と思う理由

ただ、これから初めて営業に挑戦するという人に限って言えば、私は正直、そこまで恐れなくていいと思っています。極端な言い方をすれば、年中募集しているようなきつい環境に飛び込んでみるのも、一つの選択肢としてアリだと思っています。

理由はシンプルです。厳しい環境で場数を踏むことは、営業としての基礎体力を作る、一番手っ取り早い方法だからです。断られ続けても電話をかけ続ける経験、厳しく指導される中でやり方を修正していく経験。こうした経験は、穏やかな環境よりも、厳しい環境の方が圧倒的に早く、大量に積むことができます。実際、私がこれまで見てきた中でも、最初にかなり厳しい環境を経験した人の方が、その後どんな職場に移っても崩れにくい、という傾向を感じてきました。

これは、精神論として言っているわけではありません。営業という仕事は、断られる回数・提案する回数・指導を受ける回数が多いほど、パターンとして体に染み込んでいくものが多くあります。穏やかな環境で月に数件しか断られない人と、厳しい環境で毎日何十件も断られる人とでは、同じ半年間でも積み上がる経験の量そのものが違います。量をこなす中で、断られることへの耐性がつき、次第に「断られても平気」な状態から「断られ方から次の一手を考える」状態に変わっていきます。これが、私が「最初は厳しい環境の方がいい」と考える理由です。

もちろん、これは「目指すところ」によって話が変わります。この点は後半で改めて書きます。

厳しい指導文化は「付き物」——それ自体は目くじらを立てるところではない

年中募集している会社を検討するとき、多くの人が気にするのは「詰められるのでは」「厳しく言われるのでは」という点だと思います。ここは正直に言っておきたいのですが、そういう環境である可能性は高いですし、それ自体を過度に恐れる必要はないというのが私の考えです。

数字について厳しく問われること、時にはきつい言葉で指導されること。これは営業という仕事をしている以上、ある程度は付き物です。以前の記事(「営業で詰められるのは当たり前なのか」)でも書きましたが、厳しく向き合われること自体は、営業という仕事の性質上、当たり前の範囲に入ります。年中募集している会社ほど、この「厳しさ」の度合いが強い傾向があるというだけで、それ自体を理由に選択肢から外してしまうのは、少しもったいないと思っています。

それでも別枠にすべき、2つのこと

ここまで「厳しい環境も悪くない」という話をしてきましたが、何でも許容していいという話ではありません。明確に別枠として扱うべきものが2つあります。

1つ目は、未払い残業です。これは指導の厳しさとは次元が違う話で、単純な違法行為です。働いた分の対価が支払われないというのは、営業スキルを鍛えるかどうかとは無関係に、応募先として避けるべき理由になります。面接の場で「残業代はどういう形で支給されますか」「固定残業代の場合、その時間を超えた分はどう扱われますか」と、はっきり確認しておくことをおすすめします。ここで曖昧な返答しかもらえない場合は、注意信号だと考えたほうがいいと思います。

2つ目は、一線を越えたパワハラ・モラハラです。厚生労働省は、職場のパワーハラスメントを「身体的な攻撃」「精神的な攻撃」「人間関係からの切り離し」「過大な要求」「過小な要求」「個の侵害」という6つの類型で示していて、判断の基準は「業務上必要かつ相当な範囲を超えているかどうか」とされています(出典:厚生労働省「あかるい職場応援団」)。厳しく指導されることと、人格を否定するような暴言を浴びせられること、他の社員の前で執拗に責め立てられることとは、まったく別物です。前者は鍛えられる経験になり得ますが、後者は鍛えられるどころか、人を壊します。この線引きの詳しい具体例は、先ほど紹介した記事でも書いているので、判断に迷ったら参考にしてみてください。

厳しい指導文化は「付き物」として受け止めていいものの、未払い残業と、一線を越えたパワハラ・モラハラの2つだけは、鍛えられる経験とは切り離して考える。この線引きを持っておくことをおすすめします。

ごく簡単に言うと、「なぜ取れなかったのか、次はどうするか」という中身のある厳しさは、指導の範囲です。一方で、「お前は向いてない」「使えない」といった人格そのものを否定する言葉や、他の社員がいる前で長時間・繰り返し同じ人だけを責め立てるようなやり方は、指導ではなく、一線を越えたものだと考えたほうがいいです。この違いさえ頭に入れておけば、「厳しい会社=すべて危険」という思い込みで選択肢を狭めすぎずに済みます。

「目指すところ」によって、判断は変わります

ここまで「年中募集の会社に飛び込んでもいい」と書いてきましたが、これは誰にでも当てはまる話ではありません。判断の分かれ目になるのは、その先に何を目指しているかです。

短期間で営業としての基礎体力や打たれ強さを身につけたい、まずは場数を踏んで自分の適性を見極めたい、という段階の人にとっては、厳しい環境に飛び込むことは、有効な選択肢になり得ます。荒い環境で鍛えられた経験は、その後どんな会社に移っても、財産として残ります。

一方で、専門性を積み上げていきたい、腰を据えて長く働ける環境を優先したい、あるいは体力的・精神的に今は無理をしたくない事情がある、という人には、必ずしもおすすめできる選択肢ではありません。厳しい環境で鍛えられる前に、消耗して終わってしまう可能性もあるからです。

「年中募集=絶対に避けるべき」でも、「年中募集=誰にでもおすすめ」でもなく、自分が今どちらの段階にいるかで、答えは変わってくると思います。

厳しい環境に飛び込んだら、いつまでいるべきか

厳しい環境を選ぶとしても、そこに永遠にいる必要はありません。私がおすすめしたいのは、飛び込む前に、自分の中で「何を身につけたら、次に進むか」という基準を、ざっくりでいいので決めておくことです。「断られてもすぐ切り替えられるようになったら」「1人で商談を任されるようになったら」など、基準は何でも構いません。

基準を決めずに漫然と厳しい環境に居続けると、鍛えられているのか、ただ消耗しているだけなのか、自分でも分からなくなってきます。以前の記事(「営業で詰められるのは当たり前なのか」)で書いた通り、成長痛と消耗の違いを見分ける視点は、ここでも役に立ちます。行動が変わっているうちは成長痛、考える力を奪われて「どうすればこの場をしのげるか」しか考えられなくなってきたら、それはもう消耗のサインです。

テレアポ・インサイドセールスに配属される人にとっては、なおさら当てはまります

このサイトを読んでいる方の多くは、テレアポやインサイドセールスの経験がある、あるいはこれから配属される予定の方だと思います。テレアポ・インサイドセールスという仕事は、営業の中でも特に、断られる回数・電話をかける回数といった「量」を短期間でこなす仕事です。だからこそ、最初の環境がどれだけ厳しいかによって、身につく力の量そのものが変わってきます。

実際、テレアポで一定期間、厳しい環境にいた人が、その後フィールドセールスやインサイドセールスの別ポジションに移ったときに、断られることへの耐性や、数字への向き合い方の面で、他の未経験者よりも早く馴染めているのを、何度も見てきました。最初の配属先が厳しい環境だったこと自体は、決してマイナスだけではないというのが、私の実感です。

飛び込む前に、最低限確認しておきたいこと

厳しい環境に飛び込むこと自体は否定しませんが、何も確認せずに飛び込むのはおすすめしません。最低限、次の点は面接の場で確認しておくといいと思います。

まず、先ほど書いた残業代の扱いです。固定残業代なのか、実働に応じて別途支給されるのか、はっきり答えてもらえるかを見ます。

次に、離職理由をどう説明するかです。「なぜ求人を出し続けているのか」という質問に対して、正直に答えてくれる会社は、多少信頼できます。逆に、はぐらかしたり、「たまたま」で済ませようとする会社は、注意が必要かもしれません。

最後に、指導する側の言葉の質です。面接そのものが、その会社の指導文化を映すことがあります。面接官の話し方や質問の仕方から、「厳しいけれど筋が通っている」のか、「威圧的で一方的」なのかは、ある程度読み取れます。面接という短い時間でも、注意して見ておく価値があります。

あわせて、入社後のフォロー体制も聞いておくといいと思います。「厳しい環境に、放り込んで終わり」なのか、「厳しくはあるけれど、うまくいかないときに相談できる人がいる」のかは、まったく別物です。同行してくれる先輩がいるか、定期的に振り返る場があるかなど、具体的な仕組みを聞いておくと、入社後にひとりで抱え込まずに済みます。

よくある質問

Q. 「年中募集」かどうか、どうやって見分ければいいですか。
一番シンプルなのは、求人サイトで同じ会社の求人を、時期をずらして何度か検索してみることです。数ヶ月単位でずっと同じ求人が出続けている、あるいは同じポジションの求人が繰り返し出ているなら、年中募集の可能性が高いです。

Q. 厳しい環境で数ヶ月やってみて、やっぱり無理だと感じたらどうすればいいですか。
それは失敗ではありません。厳しい環境が合うかどうかは、実際に入ってみないと分からない部分があります。無理だと感じた時点で、次の環境を探すことは、まったく問題ない選択です。むしろ、無理を続けて消耗しきってしまう前に判断できたことは、良いことだと思います。

Q. 家族がいる、生活の基盤が不安定など、そもそも冒険しにくい事情があります。
その場合は、この記事の話はあまり当てはまりません。厳しい環境に飛び込む価値があるのは、あくまで「今、多少のリスクを取れる状況にある」人の話です。生活の安定を優先すべき事情があるなら、無理に厳しい環境を選ぶ必要はありません。

Q. 求人票や面接だけで、未払い残業やパワハラの気配まで見抜けますか。
正直、完全に見抜くのは難しいです。ただ、先ほど挙げた「残業代の扱いを明確に答えられるか」「離職理由を正直に話してくれるか」といった質問への反応は、ある程度の判断材料になります。それでも不安が残る場合は、自分ひとりで判断せず、転職エージェントに求人の評判を聞いてみるという方法もあります。エージェントは、実際にその会社に人を紹介してきた経験から、表には出てこない情報を持っていることがあります。

最後に

「年中募集している会社は避けろ」という助言は、間違ってはいません。ただ、これから初めて営業に挑戦する人にとっては、その厳しさこそが、最初の成長の糧になることもあります。厳しい指導文化は付き物として受け止めつつ、未払い残業と、一線を越えたパワハラ・モラハラだけは別枠で見る。この整理さえ持っておけば、「年中募集」という言葉だけで選択肢を狭めすぎずに、自分に合う環境を選べると思います。

大事なのは、「厳しい=良い」でも「厳しい=悪い」でもなく、その厳しさが自分を鍛えるものなのか、ただ消耗させるだけのものなのかを、自分の目で見極めることです。この記事に書いた線引きが、その判断の材料の一つになれば、書いた甲斐があります。飛び込むにしても、飛び込まないにしても、最後に決めるのは自分自身です。

一人で「このままでいいのか」と抱えて時間だけが過ぎるより、一度きちんと話して整理したほうが、次の一歩は早く見つかります。UZUZは第二新卒に特化していて、ブラック企業を避けた求人から紹介してくれます。登録は無料で、数分で終わります。合わなければ断ってかまいません。迷っているなら、選択肢の一つとして知っておくだけでも損はありません。

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