営業職の転職に、資格は必要か。業界によって「必須度」がまるで違う話をします。

営業職の転職に、資格は必要か。業界によって「必須度」がまるで違う話をします。 営業・テレアポからの転職

営業職の転職相談を受けていると、「資格は取っておいた方がいいですか」という質問がよく出ます。結論から言うと、答えは業界によって全然違います。今日はそこを整理します。

「持っていないと売れない」資格がある業界

保険業界がその代表です。生命保険を売るには、生命保険協会が実施する「募集人資格試験(一般課程)」に合格したうえで、所属する保険会社を通じて内閣総理大臣の登録(実務上は金融庁が所管)を受ける必要があります。これは任意の資格ではなく、登録なしに生命保険を売ること自体ができません。

ここでよく混同されるのが、ファイナンシャルプランナー(FP)です。FPは、生活とお金に関する幅広い相談に対応できる資格ですが、保険を売るために必須の資格ではありません。「保険会社の営業=FP必須」というイメージを持っている人が多いのですが、正確には「募集人資格が必須で、FPは差別化のための任意資格」という位置づけです。

「持っていて当然」という空気があるが、実は法律上は必須でない業界

不動産業界の宅建士(宅地建物取引士)が典型例です。宅建業法31条の3・施行規則15条の5の3では、不動産会社の事務所に「業務に従事する者5人に1人以上の割合で、専任の宅地建物取引士を配置する」ことが義務付けられています。つまり、これは会社としての配置義務であって、営業マン一人ひとりに宅建士資格が必須と定められているわけではありません。

それでも不動産業界では「営業マンは宅建を持っていて当然」という空気が強くあります。重要事項説明など、宅建士にしかできない業務があることに加えて、資格の有無が知識量・本気度の証明として見られやすいためです。法律上の必須と、業界内の実質的な期待値は、分けて考える必要があります。

資格がなくても営業ができる業界の方が、実は多い

私が長くいたテレアポ・インサイドセールスの世界を含め、IT営業・人材営業・広告営業・法人営業の多くは、業務上必須とされる資格がありません。営業として採用される時に見られているのは、資格の有無より、実績・話し方・人としての信頼感であることがほとんどです。

資格は、目的ではなく入口

ここからは私の考えです。資格を取ること自体を目標にする必要はないと思っています。大事なのは、その資格を取ってでも進みたい業界・仕事があるかどうかです。

保険業界に本気で行きたいなら、募集人資格は避けて通れません。不動産業界で本気で結果を出したいなら、宅建は早めに取っておいた方が動きやすくなります。逆に、まだ業界を決めきれていない段階で、とりあえず何か資格を取っておこうと動くのは、あまりお勧めしません。行きたい業界を先に決めて、その業界で本当に必要な資格を後から取りにいく。この順番の方が、遠回りにならずに済みます。

まとめ

営業職の転職で資格が必要かどうかは、一律には答えられません。まずは自分が本気で目指したい業界を決めて、そこで「必須なのか」「実質必須なのか」「実はいらないのか」を調べることから始めてください。

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